この記事へのコメント
鯖街道沿いにそういう猫カフェが実際にあるものかどうかは知らないが、しんと静かな町並みに、猫はよく似合っていた。思わぬところで猫の集会に出くわしたりもした。
「まるまり」というネーミングは、いかにも猫好きを思わせる。そのカフェに、せっかく行ったのに、猫に逢えなかったというのだろうか。
わたしは猫カフェに行ったことがないのでよく分からない。ドッグカフェは、自分の犬を連れて、あるいは人間だけで何度も利用したのだが、店主の犬をはじめ、つねに誰かの犬がいた。猫カフェは、そんなことはないのだろうか。
それにしても「猫カフェ「まるまり」に入る猫見ず」と読んでしまいそうになる。そのカフェに入って行く猫を見なかった。当たり前じゃん、今日は4月1日です。って、はじめ、解釈してしまって、なんだ、この歌は、と。
ただしくは、猫カフェ「まるまり」に入る、猫を見ることが出来なかった4月1日、のはずであるが、やや、分かりにくい。
わざとややこしく書いているのだろうか。
猫には確かに「4月1日」は似合っている。
だけれども、「猫カフェ「まるまり」に入れど猫見ず」とかだと、分かりやすかったかも。
と、それが欠点なのかどうか。
分かりやすい平凡な歌よりも、多少の傷があっても、面白い作品が好きだな、と。思ってしまうのです。
Posted by 花森こま at 2010年04月10日 22:22
 猫カフェと、ネコミミカフェという二つのものがありまして、鯖街道という鄙びた印象からして、猫のコスチュームを着た少女たちが接待する飲食店でないことは、もちろんあきらかであります。
 しかし、鯖街道からすぐに連想される若狭の小浜や熊川宿に猫カフェはあったかしら、と思い、待てよ、そもそも鯖街道とは京都・出町柳から若狭を結ぶ街道。叡山電鉄沿線に猫カフェはあるか、と安易に検索してみますと、ありました。修学院ちかくの「まるまり」。
 学生時代、1970年(笑)、このあたりを仮のねぐらにしていた者として懐かしく余計なコメントをする次第です。

 さて、「まるまり」に入る猫、と私は読んでみました。四月一日、「まるまり」に入る猫を見なかった、と。
 なお、修学院あたりで鯖街道を意識することは少ないようにも思いますが、猫との関連でありましょう。猫に鯖ぶし。
Posted by 西王 燦 at 2010年04月11日 06:19
うまい歌ですね。
とくに意味はない。

なになにが無い、なにないしない、というようなことを歌にするというこれも意識した作者の技巧ですね。

韻律でよんで楽しい歌。固有名詞も効いている。これはこれでいいんじゃないでしょうか。
Posted by 長谷川知哲 at 2010年04月11日 09:55
生まれついての大の猫好き犬嫌いであるので、猫にかかわる歌は飛び切り丁寧に読もうと心掛けているのだが、おっしゃる通り、なにしろ文意が不鮮明で、何を言っているのかよくわからないところが、いとおしくも鬱陶しい。

・・・加えて、お二方の評文も、何気に謎めいております。

> さて、「まるまり」に入る猫、と私は読んでみました。四月一日、「まるまり」に入る猫を見なかった、と。

・・・そ、そうですか〜?マジすか〜?

> 猫には確かに「4月1日」は似合っている。

・・・そ、そうですか〜?なして〜っ?

できれば、そこらへんのところをもうちょっとご説明いただけませんか〜。

そんなこんなで、この歌にはなかなか魅力があると十分に認めつつも、五里霧中、暗夜行路のわたくしなのだす〜。
Posted by 坂本野原 at 2010年04月11日 11:16
> とくに意味はない。・・・これはこれでいいんじゃないでしょうか。

あ、なるほど、そうなんですね〜。
掲載が行き違いになってしまった長谷川知哲さんの的確なコメントに接し、疑問は氷解、納得です。

性急・浅薄に、歌に「意味」を求めすぎていたおのれの未熟に赤面。

・・・そう割り切ると、やはりこれは、なかなかいい歌ですね〜(・・・お調子者)。

勉強になりました〜。
Posted by 坂本野原 at 2010年04月11日 12:42
一言だけ付け加えますと、

入る猫見ず四月一日

文語体ですから「いる」ですね。
ここは「入る猫を見ず四月一日」
が適当かと思います。
Posted by 長谷川知哲 at 2010年04月11日 18:40
西王です。私は個人的には大の犬好き、猫嫌いなので、鯖街道と猫カフェについて解りにくい書き方をしたと思います。
 長谷川さんのコメントはとてもいい。

さて、私は「入(はい)る猫見ず四月一日 」と読みました。長谷川さんがお書きのように「入(い)る猫を見ず四月一日」のほうがスタイルとしてはいいのですが、文語体だから「いる」ということには、すこし補足が必要かもしれません。たしかに文語「入る」の現代語は「はいる」と辞書には記載されていますが、「はいる」の古いかたちは「這い入る」であって、「入る」そのものとはすこし違う言葉でした。「這い入る」と「入る」がどのような時代にどのように交錯したのかは私などにはわかりませんが、たしか漱石さんは「入る」を「這入る」と表記していたと思います。

猫だもの、「這い入る」のイメージを残して、ここは「はいる」と読みたい。
犬は「這い入る」ことをしない。

Posted by 西王 燦 at 2010年04月11日 20:21
> さて、「まるまり」に入る猫、と私は読んでみました。四月一日、「まるまり」に入る猫を見なかった、と。

私もそのように読みました。
そして読み過ぎたことをあえて告白すると「四月一日」に「エイプリルフール」というルビをあててしまいました。
それで、「ご自分の猫ちゃんはお連れにならず、お店の猫ちゃんで遊んでくださいね」という決まりの猫カフェでは、普段猫が「ご出勤」しており、でも四月一日だから見なかったのよねぇ、なんてさらっとええかげんなこと詠んで、ちょっと入れ子状態のところが面白かったり可愛かったり、と思ったのが第一印象です。
その他、教えていただきたいのですが、「そひ」は「ぞひ」でなくていいのでしょうか?なんだか音読みすると、がくっとなるので。
Posted by 勺 禰子 at 2010年04月11日 21:38
まるまり、って「丸くなる」「まんまる」って意味かしら。不思議の国の呪文のようです。実際に行って見ればわかるかもしれませんが、HPを見てみましたらこんなことが書いてありました。

+引用+
当店は、かわいいねこちゃんたちと戯れ遊べる場所(ニャンコテーマパーク?ネコだけ動物園?)です。・・略・・
ご自由に(ねこさんになった気で)気楽に気ままにお過ごしくださいませ。      +引用終わり+           

ここ、(ねこさんになった気で)がポイントじゃないかと思うのであります。つまり「猫カフェ「まるまり」に入る猫」ってのはエイプリルフールなら許される表現で、本当はお目当ての猫のもとにいそいそ通う人間のことではにやいかと。今日はそういうひとを見かけないけれど、というような感じかしら。
もちろん「猫が「ご出勤」」っていう勺さんの解釈もわたし的にナイス直球です。どっちにしても猫好きにとってパラダイスです。

ちなみにエイプリルフールのことをフランス語では「プワソン・ダヴリル」( 四月の魚)って言うとか。
これって意識せずして成ってしまった鯖つながり? 

無造作に投げ出したような印象でありながら、読めば読むほど深みにはまっていく歌だと思います。
Posted by 西橋美保 at 2010年04月11日 23:46
勺禰子さんへ。
「そひ」については、関西の勺さんも東男の私もおかしいと思うのですから、おかしいのでしょう。

手元の新明解国語辞典(三省堂)では、わざわざ「ぞい」で一つの見出しが立ててあります。

・・・「万葉調」でもなければ(?)、単なる入力ミスじゃないでしょうか。
Posted by 坂本野原 at 2010年04月12日 16:38
西王です。たびたびです。
>おもに勺さんへ。「そひ」について。

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教えていただきたいのですが、「そひ」は「ぞひ」でなくていいのでしょうか?なんだか音読みすると、がくっとなるので。

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すこし長くなります、ごめん。

このことは幾度かいろんなところに書いていますが、小西甚一さんの『俳句の世界』という本(講談社学術文庫で入手可)は、「歴史的仮名づかひ」も「現代的仮名づかい」も特別な例外を除いて出てこない、という稀有な本です。ある原稿を「歴史的仮名づかひ」で書いたのに、勝手に「現代かなづかい」に表記を改められてしまった。激怒した小西さんは、最初から「仮名づかひ」にいっさい関係のない表記でもって一冊の本を書き上げてしまった、という話です。

小西さんの場合は、あきらかに主義・主張ですが、私たちにとって、仮名づかいは、ほとんど趣味ですね。

この作者は、歴史的仮名づかひを使う趣味を持っています。こういう趣味のかたが、「街道そひ」と表記するのは、おおいにありえます。私の趣味、俳諧・連歌には「道そひ」は多くはないのですが、「山そひ」や「川そひ」は多く登場します。それぞれ「そひ」と表記される形で残っています。

で、連歌というのは、本来、声に出して読み上げられるものでした。当時の人が、「やまそひ」と読み上げたか「やまぞい」と読み上げたかは、レコードが残っていません。

こうなると、これは仮名づかいというより、言文一致という問題になるかもしれませんね。

入力ミスじゃないか、と思わせないためには「街道沿ひ」と漢字で書いて読者に委ねればいいのですが、この作者には、もうひとつの拘りのようなものがありそうです。それは、
いわゆる「句跨り」による破調。

鯖街道/そひの猫カフェ〜

という句切れをします。
音数律として「鯖街道沿い」というひとつながりで読んでほしくないという思いがあったのではないでしょうか。

仮名+遣い(つかい)=かなづかい
連+歌(か)=れんが
街道+沿い=かいどうぞい

ならば、街道/沿い=かいどう/そひ

じゃないかと、、、、。

ながながと解りにくい書き方でごめん。
Posted by 西王 燦 at 2010年04月12日 19:29
謎解きのような歌は短歌としてどうかなあという疑問も少なからずあり、
難しいことを言っているわけでないのに、意味がよくわからない、というのが第一印象でした。

最近はペット同伴OKの店や宿泊施設も増えましたが、そういうところへ出入りしたこともないので…
みなさんの解説、とりわけ「まるまり」という店のHPまであるよという解説で、コメントの仲間入りが出来るかも、と思いました。

私の最大の謎は「四月一日」、なぜ四月一日でなければいけなかったか?
HPを見ますとこの歌が今年のことを詠んだのであれば、この日は定休日。
定休日であれば客も従業員も誰も来ないのはあたりまえ。ところが、「まるまり」に入る猫見ず ですから作者の視点は猫にあるのですね。
猫も営業時間外はここに居ないのか、まるでホステスのように別の場所から出勤してくるのか?
その真偽がわからないので謎は解けませんが、作者は答えを知っているわけです。

猫をホステスのように…と言ったら語弊があるかもしれませんが、そういった現代の特異性を詠んだものでしょうか。
面白い創りで惹かれますが、ただ、幾通りにも読めてしまうからか、この歌からは特別の感情は、私はそこまで沸いてきませんでした。

誌上で読んだらサッと通り過ぎてしまうかもしれません。
ネットで調べながら理解する、なんて出来ませんから。
Posted by 麻亜子 at 2010年04月12日 21:39
さきほどの私のコメントがフルネームになっていませんでした。
麻亜子→三島麻亜子 でした。
お詫びして訂正します。
Posted by 三島麻亜子 at 2010年04月12日 21:46
楽しい作品で、難しく考えなくてもいいのでは、と思うのは安易でしょうか。「鯖街道」「猫カフェ」「まるまり」これだけで目をひかれます。私は犬派で、犬OKのペンションやお店はたびたび利用しましたが、 猫を犬に置き換えると、店に入ったが同好の士つまり犬を連れた客が入ってこない、期待が裏切られ「四月一日」のうそのようでがっかりということで。
Posted by 吉原俊幸 at 2010年04月13日 01:17
何度もすみません。
三島さんのお話で知りました。定休日でしたか・・4月1日。
そういえば辞令なんかもこの日にでますよね。だったら「入る猫」はこのカフェの、猫の新入社員ってことなのかしら。あああ。ますますわからない。

働かないのが信条というか、ニートが猫って存在でしょうに、4月1日が定休日の猫カフェの猫はどんな一日をすごすんでしょうか。

もしかしたら「猫カフェ」に野良猫が遊びにくるはずがない、という、ちょっと社会批評めいた歌かもしれない。

それにしても「街道、猫、4月1日」というのは不思議な組み合わせだと思います。







Posted by 西橋美保 at 2010年04月13日 01:46
西王です。

>勺さん

「そひ」のこと理解できましたか?
一言でいえば、小西さんは「沿ひ(い)」というような語を使わずに一冊の本を書き上げたということです。

なお、「勺」という字が常用漢字から削除されます。
Posted by 西王 燦 at 2010年04月14日 00:35
西王さん

ありがとうございます。
理解しました(たぶん)。言文一致の問題も。
小西さんのお気持ちも。。。
あと、「川そひ」で検索すれば結構でてきますね。
わざわざ「沿ひ」ではなく「そひ」にしているので、どのような理由があるのかと思ったのでした。

知らないことが多く、いろいろ勉強になりました。


坂本さん

ありがとうございます。
坂本さんのように誤植?ともちょこっと思いましたです。


>なお、「勺」という字が常用漢字から削除されます。

え゛…知りませんでした(もう半年ほど経つ…汗)。
Posted by 勺 禰子 at 2010年04月14日 01:27
またまた横レスで、すみませ〜ん。
〔横レスポンス:本文スレッド/エントリーに対するコメントではなく、コメントに対するコメント。・・・しばしば掲示板などが荒れはじめる兆候です。笑〕

くどいようですが“「そひ」問題”について、もうひと言。

勺さんのおっしゃる通り、「川そひ」で検索すると、和歌など多数の古典の用例があるのにビックリ!
・・・これは、確かに“あり”ですね〜。

また、西王さんのご意見もよく理解できました。
「川そひ」など、造語成分としての「そひ」(現代語の「ぞい」に相当)と、「鯖街道」でいったん切れて、主語にもなり得る動詞連用形→名詞の「そひ」があることも分かりました。

ちょっと仄めかした通り、もしかすると濁音の少ない「万葉調」なのかなと思っていましたが、やはりルーツは万葉集にあり、巻9−1751の高橋虫麻呂の長歌がありました。・・・これは、名歌ですね〜。

http://blogs.yahoo.co.jp/kairouwait08/24905331.html

http://plaza.rakuten.co.jp/YAKAMOCHI35/diary/200909040001/

また同様に万葉集の巻14−3435の東歌がありました。わが栃木のお隣の古代の上野(かみつけ→こうずけ、群馬)の歌です。

http://www6.airnet.ne.jp/manyo/main/fourteen/m3435.html

これは西王さんのお説の通りの用例ですね。

以上の点、非常に勉強になり、儲けた気分です〜。
Posted by 坂本野原 at 2010年04月16日 15:24
吉川宏志氏に「旅なんて死んでからでも行けるなり鯖街道に赤い月出る」(歌集「海雨」)という歌があるようです。

ご本人の自註によると、「三句目が文法的に少し変なのだが、あえて投げやりな感じを出したかった。」(角川「短歌」昨年7月号)とのことです。

ちなみに、「鯖街道は私の家の近くを通っている古道」(同)なのだそうです。

詳しいことは知りませんが、大方、いにしえの若狭湾あたりから京都方面に鯖の干物でもえっちらおっちら運んだ道ということなのでしょう。

確かに、猫にも自然なイメージの関連があるし、何よりも「鯖街道」というだけで、詩のある起句になっている。

・・・全く、関西の人が羨ましい(笑)
Posted by 坂本野原 at 2010年04月18日 16:18
単におもしろいうたと読めばいいのではないでしょうか。
「鯖街道」はもちろん吉川さんを意識しています。一種の吉川さんへのごあいさつ歌。
「猫カフェ」と言うからには日本語なら「猫用のカフェ」、つまり猫さんがお客として利用するカフェとふつうは思うのに、実は「猫と遊ぶカフェ」なのだそうだ、へえ。道理で「お客として入っていく猫」を見ないなあ。
そして、「四月一日」はおもしろさを増幅する「オマケ」です、と。
たぶん作者は4月1日がお休み、なんて知らなかったと思います。
わたしはうたはできるかぎり書かれている言葉に沿ってよみますので、それ以上の解釈はできませんでした。
きっちり定型に納めてあるところに技術の高さが見え、ちょっと遊びすぎかな、とも思いますが、ほんわかしたいいうただと思います。
付け加えるなら、「そひ」は「句跨り」の結果第二句のアタマに来るので、濁音を使いたくない、という気持ちもあるのではないでしょうか。
Posted by 花鳥(かとり)もも at 2010年04月19日 17:41
この作品はワタクシの、ひょっとするとハタ迷惑かもしれない、しかも実に騒々しい想像力を駆使してでも解釈不可能ないかにも面妖な筋書きである。神をも恐れぬこのテの作品の真意を探ろうと志すこと自体が、闇夜に鉄砲ひいては無益な殺生というものだろう。
が、三島麻亜子レポーターから報告があったように4月1日はあいにく「まるまり」の定休日だった。
と、完全に裏を取られてしまった以上、作者はここから「嘘も休み休みホザケ」という隠されたメッセージを読み解き教訓となすべき必要性に今後、迫られることであろう。
ところで今までの批評では、すべからく動物の猫が想定されていますが、私の店にも目を覆いたくなるほど猫をかぶった人間様が、お客様として毎日ご来店なされるのです。。。
Posted by 倉益 敬 at 2010年04月22日 18:46
拙作にたくさんのコメントをいただきありがとうございます。
ネットで調べると
「若狭の小浜と京都を結ぶ、かつて鯖を運んだ生活道を一般に「鯖街道」と総称します。鯖街道は決して1本の道ではなく、いくつもの街道・古道が網の目状になった街道ネットワークでもあります。」とのことです。
たしかに岩倉行き京都バスの路線上、修学院あたりに猫カフェ「まるまり」はあります。四月一日が定休日とは知りませんでした。
猫カフェなので、猫のお客も入るはず。それなのに見ないなあ・・・という歌で、結句はたまたま作ったのがその日だったことと、最後で「うそかほんまかわからへん」ような作りにしたら面白いかと思ったのです。
京都にお越しの説は近藤までご連絡くだされば、猫カフェツアーをいたしましょう。来年の四月一日に(笑)
Posted by 近藤かすみ at 2010年04月29日 00:15