この記事へのコメント
最終段階に入った恋人たちが海辺をあてどなく歩いている。雨に濡れるのも構わず、どこまで行くのだろう。シュールな気分を味わっているのかもしれない。この歌についてそんなことを思いました。
Posted by さとう ひろこ at 2010年07月07日 15:43
情景が浮かんで、素敵な作品だと思いました。
作者と『あなた』の気持ちの微妙なズレが『ふり向けば』という位置関係に現れているようです。
『あなた』は海をぬらす雨。どうしようもない存在。
こんな複雑な心象風景を短歌で表現できるんですね。
Posted by 三田村まどか at 2010年07月08日 12:02
「ふり向けばあなたが雨になっている」というのはとてもすてきなフレーズですね。恋の終りの五月雨。あなたはそこにいるけれどもうそこにはいない。映画のラストシーンの如し、と思いました。

3句と結句を「〜いる」「〜いる」と並べたのが良かったかどうかは、なお再考の余地があるかも知れません。というか、(こんなふうに言うと顰蹙を買いそうですが)このままだったら、下の句は捨てて3句までで俳句(「雨」という季語はないようなので、無季俳句ということになるでしょうか)にした方が「決まってる」んじゃないか、という気もします。

理屈で言うと、あなたは雨になってしまったのに、結句「たたずんでいる」というのは、まだ「あなた」が残りすぎのように感じます。4句に何か適切なフレーズを入れて、結句を「海をぬらして」というような言いさしにしてみる、というのはどうでしょうか。
Posted by 斎藤 寛 at 2010年07月08日 16:30
少し暗いモノクロに海面に雨が降っている。音の無い、情景が立ち上がってきます。
作中主体と「あなた」の間にはわずかばかりの隙間があるけれど、人と人との関係は、結局はそういうものかもしれない、そんな思いにさせられます。
少しばかり熱を取り去った口語の表記によく合っている歌だと思います。漢字と平仮名の配分も、この歌の雰囲気に合っていると思います。

斎藤寛さんが書かれている、
「理屈で言うと、あなたは雨になってしまったのに、結句「たたずんでいる」というのは、まだ「あなた」が残りすぎのように感じます。」
ですが、わたしはさほど違和感を感じませんでした。この、扁平な感じが、良いと思うのです。
Posted by 弘井文子 at 2010年07月11日 10:11
「あなたが雨になっている海をぬらして」の表現は、非常に良いと思います。
この二、三、四句の幻想を、
初句「ふり向けば」と、結句「たたずんでいる」が地上に結び付けている、
そういう構造の歌と読みました。
結句「たたずんでいる」は、「あなたが雨になっている海をぬらして」から、余韻を持って上手く着地していると思います。
一方、初句「ふり向けば」の方は、少々気になりました。
ここは、作中主体と「あなた」との、位置を含めた関係性に唯一触れたところ(「あなた」という呼称を除けば)なので、必要な部分なのかもしれませんが、
「あなたが雨になっている海をぬらして」という優れて詩的な表現への導入としては、いかにも説明的であると思われます。
初句の時点から、より幻想の方に一歩踏み込んだ表現が取られていたら、もっと素晴らしい歌になっていたのではないかという気がします。
もし、作者がこの歌で表現なさろうとしたことから外れてしまっていたら、お許し下さい。
Posted by 大室ゆらぎ at 2010年07月16日 20:12
わたしは前評者ほど、この初句の「ふりむけば」が気になりませんでした。この作品に関しては「ふりむけばあなたが雨に…」と始まっているので、逆に惹きつけられたのですが。
Posted by 佐々木ゆか at 2010年07月20日 06:57
みなさん、誠意あふれるコメントをお寄せくださり、ありがとうございます。大変嬉しく拝読しました。
自作を自解するのはどうかと思っていますが、一応弁明させていただくと、この作品は「あなたが雨になっている」でいったん切れています。
「海をぬらしてたたずんでいる」のは、雨になったあなたでもあり、そのあなたを見てしまったわたしでもあります。
自分自身ではこれは恋愛の歌ではないのですが、そのようによまれたことに新鮮な驚きがありました。ウレシハズカシ、ですね。
作品の解釈はひとそれぞれですが、ここは、一歩下がって短歌について勉強する場と思っていますので、あまりに作品内容とかけ離れた解釈や、まるで、ひとに喧嘩を売っているがごときコメントには、あまりよい感じをもてませんでした。なので、ネット歌会は、次回からの参加をどうするか、考えどころですね。
前回のように、短く切って棄てるようなコメントがなくなったのは、いいことだと思っていますけど。
Posted by 花森こま at 2010年07月27日 20:58

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