この記事へのコメント
三十六首の力作揃いの壮観に狂喜乱舞のあまりコメントが遅くなってしまいましたが、この歌は一読してなかなかいい歌だと思いました。

シンプルな構文で、言わんとするところをストレートに詠っていますが、小売業界の熾烈な生存競争に敗れた花屋の悲哀が身にしみます。

・・・一方、一見勝者である大規模小売店舗チェーン店である「ドン・キホーテ」の側も決して優雅な王者ではありません。

消防法に挑戦しているともいわれる(?)美意識の欠片もない頽廃的でゴチャゴチャした店構え、退嬰的な客層を見るにつけ、日本の未来は暗澹たるものだと示してくれるアイコン(イコン)です。

そういった荒涼たるイメージを伴った意欲作と読みました。

なお、初句「眠らない」は、ちょっと捻りを加えるとすれば、「新宿」などに掛かる枕詞である(?)「不夜城の」なんてのもありかなと思いますが、これはさほど強く主張したいわけではありません。

結句「少なく」は、「乏(とぼ)しく」または古語「乏(とも)しく」がシブイと思います。・・・こちらは、けっこう強めに主張します(^^)
Posted by 坂本野原 at 2010年10月25日 09:40
ドン・キホーテを題材にしたのが現代的かと思います。京都では近所にありませんが、船橋に一か月ほど居たときに、ときどき行きました。
わざとやっているんでしょうが、店内が混沌としていて、何でもありという店です。
花屋も買収されて、ドンキの中で店を続けることになったのでしょうが、品数が少ない。
ドンキと花屋は、似合わないけれど、これも現代の風景の一つとして、作者は提示したのだと思いました。

前評者と同じく「少なく」より「乏しく」の方がいいと思います。
Posted by 近藤かすみ at 2010年10月28日 19:05
眠らない「ドン・キホーテ」に買い取られ花屋の棚に苗の少なく

「買い取られた」のが「花屋」なのか「苗」なのか、読みに
迷います。

ドンキホーテにはあまり行ったことはありませんが、
テナント料を払って独立した店舗が入る
かたちが多く、花屋が「買い取られる」という
表現は当たらない場合が多いのではないかと思います。

すると、買い取られたのは「苗」で、ドンキホーテの
園芸部門が攫うように苗を買っていってしまうので
地元の個人経営の花屋さんの棚には苗がほんの少ししか並んで
いなくて、さびしい限りである、といううたか、と読みました。

大型店舗と昔からの地元のお店との
確執はスーパーマーケットができて以来の長いものですが、
いまの超不景気の時代、大型店舗はどんどん営業時間を伸ばして
価格もびっくりするくらい下げていますので、個人経営の店は
まさに生死の戦いを強いられているようです。

「花屋の棚の苗」に焦点を絞ってそのあたりの社会詠を作ろうとした
視点はすばらしいと思います。

漢字をもう少し減らしたほうがやわらかくなるのでは。
「取る」「少なく」はひらがなのほうがいいのではないでしょうか。

連用形の言いさしで終わる「苗の少なく」はやや不安定。
終止形で「苗は(の)すくなし」と当たり前に納める方がいいかと
思います。

Posted by 花鳥 佰(かとりもも) at 2010年10月31日 17:19
花鳥さん同様、「ドンキホーテが苗を買い占めたので、地元の個人経営の花屋の棚には苗がほんの少ししか並んでいない」と読みました。

ただドンキホーテに花を売っているイメージがないので、少し戸惑いました。

僕のなかでドンキホーテは、食品を含めて生鮮品の類は売っていないイメージでしたので…。

もっともこれは僕がたまに行く都心部の店に限った話なのかもしれません。

表現面を言えば、初句の「眠らない」はありきたりなので、慣用表現に頼らない言い方にしたいところです。
Posted by 生沼義朗 at 2010年11月11日 11:41
花屋に苗が少なかった原因として、その地域の市場の苗を大型店が大量に買ったということに違和感を持ちました。その様なことが現実にあるのでしょうか。或はそれは作者の心証なのではないでしょうか。
大型店出店の影響で地元の商店街が閑散としているという問題は話に聞きます。地域の商店としては、売れない品物を仕入れることはできませんから店頭の商品が疎らになるということはあるでしょうが…
昨今の個人商品と大型店舗との問題を詠んだ社会詠と読ませていただきましたが、因果関係についての根拠を知りたく思いました。


Posted by 村上 喬 at 2010年11月18日 10:06
以下訂正いたします。

「昨今の個人商品」→「昨今の個人商店」

失礼いたしました。

Posted by 村上 喬 at 2010年11月18日 12:47
たくさんのコメントを書いていただきありがとうございます。
花鳥さん、生沼さんのご指摘を受けるまで、自分では気が付きませんでした。
『ドン・キホーテ』が地元のホームセンター『ドイト』を企業買収し、園芸コーナーの花の苗の種類が激減した時に、憤り、作った短歌なんです。
買い占められたのは「花屋」。正確に「園芸コーナー」としたほうが誤解がなかったかもしれません。

ところが最近、その売り場が苗も含めて商品の品揃えがとても良くなってきました。
この歌はとりさげます。

ネット歌会ということで(印刷媒体では問題だと思われる)企業名を入れた短歌を試みたのですが・・・
軽々しい他者への批難を反省しております。

それでも、コメントにいただいたように読めてしまうこと、大変勉強になりました。あらためてお礼申し上げます。
Posted by 三田村まどか at 2010年11月19日 23:53