この記事へのコメント
マンションのガラス窓にうろこ雲・夕陽・飛行機が映っている光景を詠ったと思いました。
「みたて」「しまう」の言葉から
作者の意志でこの光景の意味付けをする印象が強い歌です。
「みたて」はそれが強く出すぎているように感じました。
Posted by 海野 雪 at 2010年10月24日 06:59
マンションを戸棚にみたてうろこ雲夕陽ひこうき大事にしまう


海野雪さんのコメントに同感です。

美しい夕映えの光景を、ユニークな発想で
スケール大きく詠んでいるところに惹かれます。

しかし、「みたて」という表現は、読者の心が自然に
この歌の世界へ入りこむことを邪魔する方向へ
働いてしまっているのではないでしょうか。

上句をあっさりと、例えば
「マンションは戸棚のごとし」や
「マンションはガラスの戸棚」とする方が、
下句が生き生きと感じられるように思います。

「大事にしまう」は好きな表現です。
Posted by 梶崎恭子 at 2010年10月27日 00:34
詩歌には「比喩」が当たり前に使われますので、前評者おふたりの言われるように「みたて」は不要です。この場合「マンションは戸棚である」と言ってしまえるのが短歌です。

ただ、このうたの場合、「大事にしまう」と下句で言っているので、マンションの比喩に戸棚を持ってくるのはどうでしょうか。つまり、マンションのガラス壁に映った「うろこ雲、夕陽、ひこうき」はいつまでもそこに「しまわれて」いるわけではなく、しばらくの間映って壁の外に出ていってしまいます。

つまり、マンションのガラス壁は「戸棚」ではなく、ものがしばらく止まってやがて通過していく「駅」のようなものではないでしょうか。もっといい比喩があるかもしれませんが。

そしてまた、「しまう」主体が誰か、というのがはっきりしません。造物主のようなもの、と考えるのでしょうか。

発想としてはおもしろいと思いました。

Posted by 花鳥 佰(かとりもも) at 2010年10月28日 15:13
マンションを戸棚にみたてうろこ雲夕陽ひこうき大事にしまう


面白い歌です。マンションを戸棚に見立てるという発想がユニークです。ただ「しまう」と詠まれている風景をイメージするのが僕には難しく、前評にある様に窓に映っている様を詠まれたのか、或はマンションに向かって動いていく様子を詠まれているのかが判然としません。
そこで僕は、うろこ雲、夕日、飛行機が西に向かって動いていく先にマンションが建っている風景と読ませていただきました。この三つの道具の組み合わせが、歌のスケールをより大きくしていて効果的だと思います。


Posted by 村上 喬 at 2010年11月19日 15:41