なお本日から11月21日の日曜日いっぱいまで、
各作品の作者名がオープンになった上でのコメントを受け付けます。
読みがうまくできなかった作品などに関しまして、作者の方との質疑応答などに
お役立て戴ければと存じます。いうなれば感想戦です。もちろん、ここからのご登場も歓迎します。
皆さまの積極的なご発言で、歌会終了まで会を盛り上げて戴ければと存じます。
何卒よろしくお願い申し上げます。
【詠草】※カッコ内はルビ
1.最近トイレットペーパーを持ち帰る方がいらつしやるやうですがやめて下さい とトイレに / 長谷川知哲
2.てきせつな言葉をさがしあぐねつつ神戸焼売のえびのぷりぷり / 今井ゆきこ
3.はじめからおまえに顔はなかったとトルソーに告ぐ窓のない部屋 / 海野 雪
4.三脚にすがりつきたる幼子はデジタルカメラに腕を伸ばすも / 渋谷和夫
5.臥す母の目覚めの遅き雨の朝白い薔薇だけ散ってしまえり / たしろゆう
6.ナメクジに清めの塩を盛り上げる輪廻転生夢見し午後に / 照井夕佳詩
7.眠らない「ドン・キホーテ」に買い取られ花屋の棚に苗の少なく / 三田村まどか
8.大磯で吉田茂の考えた未来の図面と現在(いま)との距離は / 間 ルリ
9.目覚めれば朝、窓下に明けきらぬ光は見えて秋とぞ思ふ / 渡口 航
10.かじかんだ手をポケットに突っ込んでキミと歩いたあの日を思う / 希屋の浦
11.泰西絵画のごとき黒衣の女性客乗り来る品川シーサイド駅 / 藤原龍一郎
12.鉄橋の下にかがみて半眼で響む列車の首尾を行かしむ / 大室ゆらぎ
13. 露草はにはの一所に生かしめて朝朝藍のはなをよろこぶ / 永井秀幸
14. 棄てられし子供の島よ淡路島それでも人は神と祭るも / ふゆのゆふ
15. 上半身は千円で首から上は五百円です マネキン売らる / 花鳥 佰
16. あめの降るまへにかならず頭痛して茂吉はながく歌を作りき / 山寺修象
17. 受話器ごし声が聞こゆるわが知らぬ家族(うから)の笑ふ声も混じりて / さとうひろこ
18. 菜の花のように一面咲き誇るセイタカアワダチソウの栄華よ / 村田 馨
19. ゆきずりのカレー饂飩の陳腐なる抒情にはつか惑溺したり / 坂本野原
20. 君の時間(とき)に添ひて過ごせるひとときの風緩めつつにほふ木犀 / 三島麻亜子
21. 引用の始めと終り明記して稲妻はしる空を見てゐる / 楠田よはんな
22. 黒犬を赤子のごとく抱きおりてわたしもついに狂いゆくらし / 青柳 泉
23. あつき日はすでにおもひで西日差す薄が原に風をながめる / 庭野摩里
24. 細き雨降れる路面に自転車の轍はひかり、すぐに消えたり / 生沼義朗
25. つぶやけどつぶやけど短歌にならざりし呟きばかり積もりてゆきぬ / 來宮有人
26. 淡いろのもってのほかを湯にすすぎ花びらにしてあっぱれに散る / 北島裕子
27. マンションを戸棚にみたてうろこ雲夕陽ひこうき大事にしまう / 木嶋章夫
28. 白々とPleurocybella porrigens、好きだと言へばそれでお終ひ / 西王 燦
29. 我を放ち我を掴みてうち開き はるか憧れリルケを仰ぐ / 山村 靖
30. しゃぼん玉くだけるときの冷たさを頬に受く 秋はわかれの季節 / 太田賢士朗
31. 電灯を消すとて紐をさぐる手が天井の奥の夜を引つぱる / 西橋美保
32. 椎の木のこずゑの光(かげ)を受けとめて甃(いしみち)に揺るるひかりのもやう / 近藤かすみ
33. 後悔は決してせざるまなざしの柴咲コウのごとき月影 / 伊波虎英
34. スカイツリー見えてゐるとふ声がする この武蔵野に秋ふかみゆく / 梶崎恭子
35. 糠床はふかふか人参も入れて君を待つ君はニンジン嫌い / 勺 禰子
36. 喪失はゆらりゆらりと覆いたり葬儀費用で争いし夕 / 佐々木ゆか
なおこの記事にコメントはつけられません。
以前のコメント同様、それぞれの作品に関するスレッド直接お願い申し上げます。
なお11月22日以降は、コメントは一切つけられなくなります。
書き込みはお早めにされますことをおすすめ申し上げます。
第4回歌会は来年1月頃から開催する予定です。
次回もたくさんの方々のご参加をお待ち申し上げております。