2011年05月01日

第5回ネット歌会詠草/5

災厄よ疾く去れかしといふ願ひそれを名づけて祈りというらむ
posted by 短歌人会 at 00:24| Comment(3) | TrackBack(0) | 第5回歌会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
東日本大震災のことや、プライベートな個人の悩み事、困りごとなどを「災厄」ととらえて、早く去ってほしいと思うのは、切実な願いです。
「願」の字を入れなければならない制約の中で、上句は納得でき、共感できますが、下句は重ねて言っていて説明的な感じがします。

願いと祈りの違いはなんでしょう。
下句で、作者が具体的にこういうことをしている、といったことを詠んでみたら、別の面白みが出るのではないでしょうか。
Posted by 近藤かすみ at 2011年05月07日 11:17
 この歌は、ある意味ではできているので、いろいろ変える必要はないのではないでしょうか。下句は重なっているのではなく、こういう時だからこそ「願い」が「祈り」に成り得る(ことがある)ということを言っているのだとおもいます。
 ただ「それを名づけて」という部分が理窟っぽい感じなので、この語は使わない形の方がすっきりするとおもいます。
 あと、僕は(日常詠の連続としての)境涯詠派なので特にそうおもうのですが、この歌は何らかの形での当事者として作られたのであれば、よりリアリティーがあり、そうでなければ、やや他人事(ひとごと)っぽい作品かもしれません。
Posted by 山寺修象 at 2011年05月08日 01:03
三句からすると旧かなで作っておられるようなので、結句「いう」は「いふ」ですね。

「願ひ」と「祈り」は似ていますが、その違いをうまく歌にされていると思います。

ただ、山寺さんもご指摘のように「それを名づけて」が理屈っぽくなっていて、そこがもったいないように感じます。
また、きっと作者の方は祈るような思いでこの一首を作られたのでしょうが、この語によって、山寺さんのおっしゃるような他人事っぽさが出てしまっているのではないでしょうか。

Posted by 春野りりん at 2011年05月09日 05:55

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