2011年07月01日

第6回ネット歌会詠草/26

胸内に小石ひとつをしまひおく はづし忘れたピアスがいたい

posted by 短歌人会 at 00:04| Comment(5) | TrackBack(0) | 第6回歌会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 まず、「胸内」の読みに戸惑いました。歌意としては、胸の内に解決し難いわだかまりを残している。そのわだかまりである「小石」の存在とピアスの痛みの対応は効いていると思います。「胸内に」の表記には工夫の余地があるのではないでしょうか。
Posted by 村上 喬 at 2011年07月09日 11:01
「胸内」は「むなうち」(古語ふうには「むなぬち」)と読むのだと思います。詳しく探すと明治のころの短歌に「むなぬち」があるかもしれません。

さて、「胸内に小石ひとつをしまひおく」という心情は、ほぼ多くの了解を得ると思いますが、なぜピアスを外し忘れたのかというのが、この作品の謎であり、面白さでありましょう。

泥酔して眠ってしまったから、というのがもっとも索漠な印象。あるいは、ピアスのことなどなんとも思わずに抱擁されたからでしょうか?いかがでしょう。

なお、余計な連想ですが、「はづし忘れたピアスがいたい 」は「あなたが咬んだ小指が痛い」に文体的に似ていますね。

Posted by 西王 at 2011年07月09日 21:59
 西王さん、「胸内に」の読みについてご教授ありがとうございました。ピアスの件については、泥酔説もあろうかと考えましたが、小石ほどのわだかまりにさえ拘ってしまうような追い詰められた状況にあって、倒れ込むように眠ってしまったというように読ませていただきました。いずれにせよ索漠とした印象には違いない訳ですが。
Posted by 村上 喬 at 2011年07月10日 11:25
胸内に小石ひとつをしまひおく はづし忘れたピアスがいたい

一読、惹かれる歌です。
物語を感じさせるからでしょうか・・・

胸内の「むなうち」の音も、どこかかすかに気だるくて魅惑的です・・・
「小石」小さくて、でも溶けも消えもしない、
かたい痛みをずっと残す・・・そんな存在でしょうか。

ピアスが痛いのよ・・・と言っていますが、
もちろん本当にいたいのは、心の傷です。

具体的に、何かを言わずに、読者に想わせる、
巧みさに、おもわず引き込まれていく、
不思議な引力のある歌です。
Posted by 梶崎恭子 at 2011年07月14日 18:05
いい歌だなあと思いました。
ただ一つ気になったのは、小石とピアスのイメージが近すぎるのではないかということでした。つきすぎと言いますか・・・。
ピアスだから良い、という意見もあるかと思いますが、個人的にはピアスでない方がいいのかも・・・?と悩みました。
Posted by 木嶋章夫 at 2011年07月20日 22:39

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