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2011年07月01日
第6回ネット歌会詠草/25
大いなる手が現れてCrinum asiaticum『もんじゅ』の炉心抜くとこそ言へ
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Crinum asiaticum(ハマユウ)はウィキペディア(
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%9E%E3%83%A6%E3%82%A6
)によると西端は敦賀湾、東端は千葉県の銚子を結ぶ、年平均気温14℃の等温線以南に自生しているとあり、高速増殖炉『もんじゅ』の建つ浜にも見ることができるのでしょう。
『もんじゅ』は過去にナトリウム漏出火災事故や炉内中継装置の落下事故を起こしており、その安全性について作者の持つ不安は、福島で起きた原子力発電所の事故を受けて益々増大したものと思われます。作者には、浜に自生するハマユウが霊的な力を帯びた「大いなる手」に見えたのでしょう。その手が『もんじゅ』の炉心を抜き取り、救済がもたらされることを祈らざるを得ない作者の心情が強く伝わって来ます。
Posted by 村上 喬 at 2011年07月09日 10:37
北原白秋の
大きなる手があらはれて昼深し上から卵をつかみけるかも
の本歌取りと読みました。
原発への不安から、大いなる手が現れて炉心を抜くという幻影を詠んだものなのでしょう。
Crinum asiaticumはハマユウですが、彼岸花と同じ毒をもつそうです。それも踏まえてこの花の学名を詠み込んだのかと思いますが、私の読み方では三句の五音に入らず、あえて学名を選ばれた意図が読み切れません。
ほかの方の読み方をお伺いしたいです。
Posted by 春野りりん at 2011年07月09日 13:15
Crinum asiaticumは、植物の浜木綿(浜万年青とも)の学術名なのだが、三句目においてある。浜木綿は海岸の砂地に生えるところから、高速増殖炉「もんじゅ」が設置されている敦賀半島北端部西岸を想像させる働きをしている。福島原発事故以降、世界的な気運となった脱原発の運動が「大いなる手」に象徴されていよう。「もんじゅ」の炉心を抜いて発電を止めるということになろう、という。なお、「もんじゅ」は、実験炉だが、長期間に大小のトラブルが発生し、実用にはほど遠い。
Posted by 秋田興一郎 at 2011年07月11日 21:15
短歌人の「三角点」にでも書くべきことですが、30年前に自費出版した私の歌集『バードランドの子守歌』が、あと10数冊残っています。ご希望のかたには送料無料で謹呈します。お急ぎのほどを。
nishiou@kpd.biglobe.ne.jp
『バードランドの子守歌』には、風景としての原子力発電所が、当時のデカダンスな気分として描かれています。むろん、この作品の『もんじゅ』はまだ建設されていません。
福島原発の事故によって、「セシウム」だとか「ベクレル」だとか、わけのわからない語彙に詳しくなった私たちは不幸です。
この作品のCrinum asiaticumという、突然の挿入も、たとえば、実名をあげて申し訳ないが、「西山審議官」の発言としてみたかったわけです。正確に翻訳すれば「ほにゃららら」ということ。
Posted by 西王 燦 at 2011年07月24日 02:48
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