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2011年07月01日
第6回ネット歌会詠草/10
女には入り込めない筋ありぬ雨の匂いに君は席立つ
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posted by 短歌人会 at 00:20|
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この記事へのコメント
面白いと思いました。
この「筋」とは、(男同士の)話の筋、話題、論理の展開といったようなことか、それとも(危ない、エロい)道筋、街筋、小路のようなことでしょうか。
どちらもけっこうありそうですし、なんとなく意味は通ると思いますが、ここではたぶん前者でしょうか。
意味的には全体に曖昧模糊としていますが、梅雨時のアンニュイ(倦怠感)を漂わせつつ、「雨の匂いに席を立った君」が、読む者としてはなかなかいい女に感じられ、同席していたその女性(彼女?)を立たせてしまった作者(作中主体)の当惑、後悔の念すら滲んでいるようで、短歌ならではの洗練された世界が現出されていると思いました。
Posted by 坂本野原 at 2011年07月09日 11:43
「意味的には全体に曖昧模糊」と坂本さんがお書きのように、この作品も読み手の経験則に左右されそうです。
私も個人的な趣味としては「なかなかいい女(坂本読み)が」席を立ったと読みたいのですが、別案も書いておきます。
女(というものには)男の入り込めない筋(倫理?)があるようだ。せっかくのいい女が雨の匂いの中、席を立ってゆく。
これが一案。
女には入り込めない筋(義理?)が男(というもの)にはあるようだ。せっかくのイケメンが雨の匂いの中、席を立ってゆく。
これが二案。
いかがでしょう。
Posted by 西王 燦 at 2011年07月10日 14:18
西王さんの二案が自分のイメージでした。少し古い、健さんでも出てきそうな映画とか、演歌の雰囲気を感じました。女、筋、雨の匂い、席を立つ君等の言葉から、そんな風に限定されてきました。坂本さんのコメントには、読み手の男女の違いというものを感じびっくりしました。
Posted by さとう ひろこ at 2011年07月13日 08:01
そうですね、了解。たぶん私が誤読していました。
前言撤回。作者(作中主体「わたし」)を女性と見るのが素直なのでしょう。
・・・なるほど〜、この「君」は、(例えば)筋を通して、今から殴り込みに行くわけですね。
健さんじゃなくても、CHAGE&ASKAでさえ、「YAH YAH YAH」と「殴りに行」くわけですから。
Posted by 坂本野原 at 2011年07月15日 11:02
女には入り込めない筋ありぬ雨の匂いに君は席立つ
さまざまな読みが可能な歌で、作者の意図をうまく読み取っているか自信はないですが、
上句の「女には入り込めない筋ありぬ」というフレーズがとても印象的で魅力を感じた1首です。
その上句ですが、「女には入り込めない筋(が男には)ありぬ」ではなく
「女には(男が)入り込めない筋ありぬ」と僕は解釈し、
作中主体(作者)は男性で、「君」とは恋人である女性というふうに読みました。
僕がこのような読みに誘導されたのは、
「筋」という言葉から一瞬、女性器をイメージしたからかもしれません。
恋人同士のちょっとしたいざこざで女性を泣かしてしまい、
結局その場に一人取り残されてしまった作中主体の男性。
「雨の匂い」というのは、男性が憂鬱な気分になるような
雨の匂いを彼女の涙に感じたのでは。
女性に泣かれてしまうと大概の男性はお手上げです。
ひと筋、ふた筋と彼女の頬を伝う涙に、作中主体は、
男にはとうてい理解できない女性の心理というものを痛感し、
「女には(男が)入り込めない筋ありぬ」と胸に深く刻み込んだのでしょう。
この歌からは、彼女が泣いていたのかどうかはっきりわからないので、
ちょっと深読みが過ぎたかもしれません。1首の読みとしては、
女性という理解しがたい存在に戸惑っている男性に、
憂鬱な気分をもたらす存在としての彼女が「雨の匂い」を振りまきながら
席を立って行ったというくらいの読みでいいのかもしれませんが、
いろいろと想像を掻き立てられる作品でした。
Posted by 伊波虎英 at 2011年07月19日 01:57
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どちらもけっこうありそうですし、なんとなく意味は通ると思いますが、ここではたぶん前者でしょうか。
意味的には全体に曖昧模糊としていますが、梅雨時のアンニュイ(倦怠感)を漂わせつつ、「雨の匂いに席を立った君」が、読む者としてはなかなかいい女に感じられ、同席していたその女性(彼女?)を立たせてしまった作者(作中主体)の当惑、後悔の念すら滲んでいるようで、短歌ならではの洗練された世界が現出されていると思いました。
私も個人的な趣味としては「なかなかいい女(坂本読み)が」席を立ったと読みたいのですが、別案も書いておきます。
女(というものには)男の入り込めない筋(倫理?)があるようだ。せっかくのいい女が雨の匂いの中、席を立ってゆく。
これが一案。
女には入り込めない筋(義理?)が男(というもの)にはあるようだ。せっかくのイケメンが雨の匂いの中、席を立ってゆく。
これが二案。
いかがでしょう。
前言撤回。作者(作中主体「わたし」)を女性と見るのが素直なのでしょう。
・・・なるほど〜、この「君」は、(例えば)筋を通して、今から殴り込みに行くわけですね。
健さんじゃなくても、CHAGE&ASKAでさえ、「YAH YAH YAH」と「殴りに行」くわけですから。
女には入り込めない筋ありぬ雨の匂いに君は席立つ
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上句の「女には入り込めない筋ありぬ」というフレーズがとても印象的で魅力を感じた1首です。
その上句ですが、「女には入り込めない筋(が男には)ありぬ」ではなく
「女には(男が)入り込めない筋ありぬ」と僕は解釈し、
作中主体(作者)は男性で、「君」とは恋人である女性というふうに読みました。
僕がこのような読みに誘導されたのは、
「筋」という言葉から一瞬、女性器をイメージしたからかもしれません。
恋人同士のちょっとしたいざこざで女性を泣かしてしまい、
結局その場に一人取り残されてしまった作中主体の男性。
「雨の匂い」というのは、男性が憂鬱な気分になるような
雨の匂いを彼女の涙に感じたのでは。
女性に泣かれてしまうと大概の男性はお手上げです。
ひと筋、ふた筋と彼女の頬を伝う涙に、作中主体は、
男にはとうてい理解できない女性の心理というものを痛感し、
「女には(男が)入り込めない筋ありぬ」と胸に深く刻み込んだのでしょう。
この歌からは、彼女が泣いていたのかどうかはっきりわからないので、
ちょっと深読みが過ぎたかもしれません。1首の読みとしては、
女性という理解しがたい存在に戸惑っている男性に、
憂鬱な気分をもたらす存在としての彼女が「雨の匂い」を振りまきながら
席を立って行ったというくらいの読みでいいのかもしれませんが、
いろいろと想像を掻き立てられる作品でした。