2011年07月01日

第6回ネット歌会詠草/2

昨夜(きぞ)からの地雨(ぢあめ)やうやく小弛(をだゆ)めば耳の底ひに都市は華やぐ

*カッコ内はルビ
posted by 短歌人会 at 00:28| Comment(5) | TrackBack(0) | 第6回歌会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
昨晩から降り続いた地雨の音がようやく止んだので、都市の喧噪が華やぎとして耳に届くようになったという歌意でしょうか。

雨上がりの都市の華やぎを「耳の底ひ」に聴くという感性が繊細で美しいと思います。

ただ,濁音の多さとルビの多さが気になります。「昨夜」は「きそ」でもよいのではないでしょうか。また、「昨夜」「小弛む」にはほかの読みもあるのでルビが必要かもしれませんが、「地雨」には特にルビを振る必要がないように感じました。
Posted by 春野りりん at 2011年07月08日 08:44
歌意は春野さんと同じように取りました。
「昨夜(きぞ)」「地雨(じあめ)」「小弛(をだゆむ)」とかなり専門的(?)な言葉(「昨夜」以外は辞書で調べて確認しました)を使って巧い歌と思いました。上の句の三つの濁音は、下の句の雨の音が止んだ(小さくなった)後の都市の華やぎの音を際立たせるために意識的に使われているのかとも思いました。僕にはこの三つの濁音は印象的に響きました。


Posted by 永井秀幸 at 2011年07月08日 16:47
凝るを超越し、いささか衒い過ぎの印象を受けます。
地雨、小弛む、と目新しい言葉をわざわざ使い、語弊があるかもしれませんが、知識のひけらかしのようにさえ見えました。ルビがそう感じさせているのかもしれません。
歌の内容は、好感が持てます。素直な言葉、表現で詠まれたらすっと入ってきそうです。
Posted by 村田馨 at 2011年07月08日 20:24
にわか雨と違って地雨は降り続く。周囲の音を掻き消すくらいのかなりの大雨であったのだろう。それが夜が明けて小振りになり、都市の華やかな音が聞こえてきたという。
歌語・文語による古典的ななつかしい詠み方になっている。ルビはなくてよい。濁音は地雨の雰囲気に合うと思う。
Posted by 秋田興一郎 at 2011年07月10日 20:41
初句「昨夜からの」は「昨夜よりの」が良いように思われます。
「ようやく小弛めば」「華やぐ」ヤ音の連なりになります。
昨夜(きぞ)地雨(じあめ)小弛めば(おだゆめば)、意識的な言葉選びをされたお作にあうのではないかしら。
Posted by 庭野摩里 at 2011年07月11日 19:23

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