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2011年09月01日
第7回ネット歌会詠草/19
原爆忌まぢかき真昼、乙女らの日傘は黒き雨傘となる
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この記事へのコメント
乙女の日傘という健全にも華やかな映像がぱっと黒い雨傘に暗転する、という手法が面白いと思います。原爆忌の真昼のかんかん照りのなかのシュールな幻覚、という感じです。黒い雨傘にはやはり井伏鱒二の「黒い雨」が想起されます。
Posted by 田宮ちづ子 at 2011年09月05日 19:16
前評の田宮さんの読みに共感しました。
ここ数年、日傘は紫外線遮断効果のために、漆黒の日傘が多くなってきました。
かつての涼しげな白や生成りの日傘は減り続けているように思えます。
「日傘」や「夏服」のようなことばから想起される、夏の清しい風情といったものは、
黒い日傘には望むべくもありません。それどころか、猛暑の中の黒い傘や
黒い長手袋に出会った場合は、違和感を感じる人も多いのではないかと思います。
その違和感を、原爆忌に繋げて詠んだところに巧みさを感じます。
Posted by 梶崎恭子 at 2011年09月06日 13:42
最近は(いや、以前から?)日傘・兼・雨傘というものがあり、その多くは黒らしい。そうした小道具をうまく使っている歌と思いました。
が、そうした現物がある分、「原爆忌」と「黒き雨傘」は“いかにも・・・”感が生じてしまうように思いました。
僕だったらもうひとひねりして、黒き雨傘は行方不明のまま・・・、ぐらいのことを言いたい、と思いました。
Posted by 斎藤 寛 at 2011年09月06日 20:42
原爆忌まぢかき真昼、乙女らの日傘は黒き雨傘となる
ここ数年黒日傘が流行していますが、もともと日傘は、白などの薄い色が主流でした。乙女というレトロな言葉選びから、本来の白っぽい色の日傘が、原爆を経て、黒い雨傘に変わったという見立てかと思います。
Posted by 近藤かすみ at 2011年09月14日 22:23
作者の伊波です。
実際に、原爆忌前日のお昼にかなり激しい通り雨に遇い、
そのときの情景を詠んだ歌です。
普通に「黒き日傘は雨傘となる」と詠まずひとひねりして
「日傘は黒き雨傘となる」と表現してみたのが、
「原爆忌」という言葉との相乗効果を歌にもたらしたのかなと、
みなさんのコメントを読んで改めて感じました。
どうもありがとうございました。
Posted by 伊波虎英 at 2011年09月23日 23:56
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