2011年09月01日

第7回ネット歌会詠草/8

夏のをはり二人で仰ぐ空の色は何度も塗り直したやうな青
posted by 短歌人会 at 00:27| Comment(8) | TrackBack(0) | 第7回歌会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
下句の「何度も塗り直したような青」をどう捉えるかで歌の意味が変わってしまいますね。
夏の終わりの空といえば秋が近いのですから透明感のある青を想像しますが、私は「何度も塗り直した」で絵の具が濁るようにやや透明感がなくなった青を想像しました。
夏の終わり・・何度も気持ちの揺れや行き違いを経験して今に至った二人が空を見つめている・・そんなイメージを受けました。
Posted by 海野雪 at 2011年09月06日 15:48
素敵な相聞歌だと思いました。 
なんども塗りなおしたような青がミソですよね。
わたしは空を壁に見立て、ペンキで完璧な青にしたてようとしていると読みました。雲とか余分なものを消していくとか・・・
ちょっとわかりにくい比喩だけれど、魅力を感じました。
Posted by 青柳泉 at 2011年09月09日 21:56
 「何度も塗り直したやうな青」という認識の仕方は、日本人よりは欧米人に近いようにおもいました。
 以前、欧米人(たぶんアメリカ人)が、紅葉に染まった山を「ペンキで塗った(あるいは塗りたくった)ように真っ赤できれいだった」と書いていたのを読んだことがあります。
Posted by 山寺修象 at 2011年09月10日 10:56
先行の皆さんの「何度も塗り直したやうな青」の評、面白く読ませていただきました。

少しばかり漂白されてしまったような、真夏の真っ青な力を失いつつあるような、そんな青を思いました。
塗りなおして、塗りなおして、大人になっていくんだ、みたいな、せつなさを感じます。
Posted by 弘井文子 at 2011年09月11日 13:55
「何度も塗り直したやうな青」は,いろいろな解釈ができそうですね。
見上げた空が,青色を何層も重ねてところどころ青色の濃淡をもっていると読みました。
そして,幸せな思い出もせつない思い出も塗り重ねるように過ごしてきた二人が,そのときどきの心を振り返っている様子を思い浮かべました。

とても惹かれた一首です。
Posted by 春野りりん at 2011年09月13日 17:42
夏のをはり二人で仰ぐ空の色は何度も塗り直したやうな青

下句「何度も塗り直したやうな青」が、心にひっかかるフックのような
魅力を持つ歌だと思います。

前評の皆さんのコメントを味わい深く拝読して、読者それぞれに
想いを持たせるようなところがある、そういう言葉の力を下句に感じました。

ひとつだけ気になったのは、三句「空の色は」の六音の字余りです。
「色」は結句の「青」と重複しますし、三句でややもたつくような気がします。
ここはまだ動くと思います。
Posted by 梶崎恭子 at 2011年09月14日 16:22
二人は恋人同士か、親友か。私は親友と解釈しました。
「何度も塗り直したやうな青」からは、
人生を迷いつつそれでも一生懸命生きてゆく姿や、十代特有の自分探しをしている姿がうかびました。
青春期を描いたとても美しい作品だと思いました。
Posted by 今井ゆきこ at 2011年09月20日 22:06
作者です。
コメントをくださった方々、本当にありがとうございました。

「何度も塗り直したやうな」は、わかりにくい比喩だったんですね。
今回はそれぞれの解釈を示して、プラス評価をしていただきましたが、いくつもの解釈を生む余地があって良いものか、という点が常に私の悩みどころです。
これまでは、解釈の揺れは避けるべき、という指摘を受けることが多かったので。
作者の意図としては、海野雪さん・春野りりんさんが書いてくださった通りの内容のつもりでした。

改めて、ありがとうございました。



Posted by 芝 典子 at 2011年09月23日 16:42

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