詠草を提出された方は、ご自分の詠草に間違いがないかご確認下さい。
なお括弧内はルビとなります。
もし万一ご自分の詠草に誤植あるいは未掲載などがありましたら、
3月5日(月)の21:00までに tankajin-eisou@mail.goo.ne.jp まで
メールでお知らせ下さい。ただし訂正に関しては原則、
幹事サイドのミスに基づく誤植以外は応じられません。
なおここしばらく、詠草送付先アドレスの運営元での不具合のため、
メールの大幅な遅着や未着が発生しております。
特に詠草が未掲載の方は、詠草が到着していない可能性が高いので、
ご迷惑とお手数をおかけ致しますが、この記事のコメント欄に
未掲載の旨と参加詠草を直接お書きこみ下さい。
その場合はお名前と、最近入会された方は会員番号をかならずお願いします。
なお書き込まれた内容は公開されませんので、ご安心下さいませ。
また詠草訂正・未掲載いずれの場合も、締切を過ぎてからのお申し出は
受付できませんので、かならず3月5日(月)の21:00までにご連絡下さい。
【詠草】※カッコ内はルビ
1.辞めさせるとは言えなくて「卒業」という言葉に綺麗に逃げる
2.抽斗を開くれば舞い立つてふてふや羽化待つもののかく多くして
3.「怒鳴られた」「抱つこされた」「怖かつた」琅玕忌の主犬抱き笑まふ
4.水仙の強き香りの家を出て勤めに向かう二月の冷気
5.如月をアイスピックでかち割って生まれたばかりの春を掻き出す
6.スタイリッシュなる革椅子にかけてゐる手ざはりよろし尻には堅し
7.ひかえめな甘さもよしとひとくちの愉悦を選ぶ桃のスイーツ
8.ビルの谷 夜警一人に見守られシャッターは歌う『蛍の光』
9.残された蜥蜴の尻尾が光りだす 私はいいから逃げ延びて さあ
10. 箒で掃けば掃くほど絨毯から湧くものがある、ごとくに怒る
11. 雪の朝学童坂をぼり来る 傘のいろいろ入り乱れおり
12. 蠟梅のほろりと咲きて目に愛でつマスク越しなる今年の春は
13. ゲシュタルト崩壊きざすまで見詰む「私有地につき・・・」の「私」の一文字を
14. 死者たちのうへを歩いてきた時間けふ海の辺に雛(ひひな)を流す
15. <夏の雲公園>歩く夕暮れのあなたの影に感じてる四季
16. 問題は単純ゆえに深刻で集合十分前に起きたり
17. 小さくちさく光れる雪が舞ひとべり氷点下五度の日ざしのなかを
18. 凶器など持ちしことなき顔をしてペットボトルのお茶を飲みゐる
19. 四日(よか)の月のすべらかなへりにぎんいろの治部坂の見ゆ 明日は雪らし
20. 「やさしさ」を口にすれば偽善なるわれにきずきてしばし戸惑う
21. 筋萎縮性側策硬化症ではないと言われたる身をゆつくりと寝かす
22. 粘の字が枯の字に見えて日が変はるわたしをしまふ頃合ひならむ
23. 原種返りしたのか足下に縮こまり紫濃ゆくビオラは咲きぬ
24. いちまいの厚さを噛みて感じつつ海苔を噛みたり唇閉ぢて
25. 俯きて刺し子縫ひゐる老い妻の静かなるさま苦界のごとし
26. かはいいとゆふべあなたが言ひしかば風呂場で泡をたてる手のひら
27. 母去りぬ後の食には彩なくて素材としての味のみと酒
28. ひととせの春夏秋冬ひとりなり銀河をわたる笹舟になる
29. あの曲り角の鈍角やさしくて「行っちょいで」と見送られてみんな
30. こめつぶをひとつぶひとつぶ数えつつごはんをたべるように歩いた
31. たこ焼きの頬もつをみな虚ろなる眼(まなこ)みひらき新宿ゆけり
32. シャワー浴ぶ夜更けの弥生しずくして浜をたゆたう髪こそ思え
33. 夕照に煉瓦の脚がにじみおり武庫川鉄橋電車の響き
34. 明け方の雨もやさしく降りはじめ こじれた過去を解きほぐす春
35. 友はサクわれはチルとう電文を手に持ち春を惜しみ合いたり
36. なめろうを注文したら常連が目玉おやじを口々まねる
37. 卓上の林檎に月の光射す真夜せいよくといふはせつなし
38. 長靴のなかにたまっている闇があふれるように足をしずめる
39. 「畜生」と言えば寡黙に押し黙り左脳勝ちたり右脳の横に
詠草は以上です。今回は39首の詠草が寄せられました。
皆さま、ありがとうございます。
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そちらからもコメントの書き込みができます。どうぞご活用下さい。
コメント受付期間は2012年3月6日(火)から22日(木)までとなります。
(※準備が予想より早く終わりましたので、コメント開始を前倒しします)
詠草を提出していない方でも、短歌人会のメンバーでしたら
どなたでもコメントできますので、奮ってご参加下さいませ。
皆さまの活発なコメントを期待します。
また今回から個別のコメント以外に、今回の歌会全体の作品について
忌憚ないご意見を交わす場として、この記事のコメント欄を開放します。
詠草全体の傾向や、今回の題についてのご意見などこちらにお寄せ下さい。
それ以外にご不明な点がありましたら、
tankajin-eisou@mail.goo.ne.jp までお願い申し上げます。
しかし、同じく4句目までが比喩の状態の歌なのに、38番の歌は、流れがゆるやかで、無理のない一見さりげない比喩で、一首として成功しており、今回の歌のなかではストレスなく読める歌だと思いました。
ああ、こんな歌の作り方もあるんだな、と勉強になりました。