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2012年03月01日
第9回ネット歌会詠草/37
卓上の林檎に月の光射す真夜せいよくといふはせつなし
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この記事へのコメント
>卓上の林檎に月の光射す真夜せいよくといふはせつなし
一般に清らかな青春性の象徴のような林檎、そしてさらにも射す月光、その上句に対するものが「せいよく」であり、この対比の意外さが面白い。
上の句はまことによく情景が立ち上がってきて、月光を浴びた林檎がやや青みががって見え、下の句の性欲を平仮名書きにしてあることで、読む時の印象が和らげられ、両者が分解することなくつながってゆきます。
下の句の「せいよく」の「せ」、「せつなし」の「せ」も響いてゐます。
ひとつ、卓上の林檎と月の光、真夜、あたりが過剰と言われるかもしれませんが、何時もシンプルなだけでは、つまらない。過剰な歌ばかりも、しんどいけれど^^
Posted by 弘井文子 at 2012年03月11日 09:42
よく考えられていて、巧く出来ている歌だと思います。林檎というのも、アダムとイヴの物語を思わせますし、「射す」も然り。
後半はひらがな書きで意味を薄めてある。
これが漢字なら、恥ずかしくてコメント出来ないところです。
Posted by 近藤かすみ at 2012年03月11日 18:27
射し入る月の光で林檎を見ている。電気もつけないでカーテン開けたままの部屋という情景が浮かびます。
せいよく〜以降の全部ひらがなで、意識が薄れてゆくような感覚も伝わります。
Posted by 三田村まどか at 2012年03月16日 10:31
せいよくに悩まない年齢になってしまった僕ですが、若いころを思い起こしこの歌はよく分かりました。せつなかった頃がなつかしく、あの頃に返りたいなどともちょっぴり思わせられました。弘井さんはじめ既評の皆さん同様成功している歌と思いました。
Posted by 永井秀幸 at 2012年03月20日 16:40
強く印象に残った歌です。
熟した林檎が真夜中に妖しく光るのを見た女性が、性欲の高ぶりを感じる。しかし、性愛をともにする相手はいなく、せつなくなる、という場面を思い浮かべました。
りんごは、形状からして女性器を思わせるため、作中の「われ」は女性だと思いました。
Posted by 太田賢士朗 at 2012年03月23日 00:22
上の句と下とがうまく対応しているち思いました。神話に日の光で妊娠させられるというものがいくつかあり、月の光をもってきたのも面白い着想だと思いまsた。
ただ弘井さんと違い、卓上、林檎、月光、真夜と続くのは過剰と思います。月光は夜のもの、このあたり整理が必要かと・・・・
偉そうですいません。
Posted by 青柳泉 at 2012年03月23日 16:12
僕は自分の若いころを思い起こし男性の歌だと思っていたのですが、上記の大田さんの説、それに僕以前のコメントが全部女性であることなどから分からなくなりました。歌の評価とは関係ありませんがどちらだろうか少し気になっています。
Posted by 永井秀幸 at 2012年03月23日 17:40
あらためて自分でも詠むのも読むのも恥ずかしい歌だなと思いました。
それでもご批評をくださった皆様、ありがとうございます。
永井さん、惑わせてしまってすみません。
「真夜」を別の語に変えられないか考えているのですが、なかなか代案が出てこず、難しいですね。
Posted by 高澤志帆 at 2012年03月27日 22:42
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