2012年03月01日

第9回ネット歌会詠草/34

明け方の雨もやさしく降りはじめ こじれた過去を解きほぐす春
posted by 短歌人会 at 00:06| Comment(3) | TrackBack(0) | 第9回歌会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
一読、わかりやすく好感のもてる歌だと思います。明け方、雨のア音の重なりが、明るさを強調しています。雨を「やさしく」と捉える感性が前向きで、過去のおそらくは辛かったであろうことも、良い方向に向かっている事を感じさせます。
Posted by 近藤かすみ at 2012年03月14日 18:54
浅春のころの雨の感じが出ていて、雰囲気のある歌と思います。上3句と下3句共に漠然としたモチーフなので、リアルな素材・言葉をどこかに入れるだけで、結句の実感がもっと伝わるかと思います。
Posted by 岡田悠束 at 2012年03月18日 16:35
>明け方の雨もやさしく降りはじめ こじれた過去を解きほぐす春

前評者近藤かすみさんのコメントにあるように、明け方のやさしい春の雨は、明るい未来を予想させます。
上の句と下の句の間の一字あけは、こじれた過去と現在との隙間を強調するのですけれど、なくても、調べやリズムからもすんなりと読めますので、なくてもいいのかな、などとも思います。
結句「春」で終わると、少し類型的に読まれやすいかと思いますので、春で終わらず、定型の内に助詞などを加える工夫もあるのではないでしょうか。わたし自身、体言止めは何時も迷うところです。
Posted by 弘井文子 at 2012年03月18日 17:51

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