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第9回ネット歌会詠草/22
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第9回ネット歌会詠草/20
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2012年03月01日
第9回ネット歌会詠草/21
筋萎縮性側策硬化症ではないと言われたる身をゆつくりと寝かす
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posted by 短歌人会 at 00:19|
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この記事へのコメント
「筋委縮性側策硬化症」というのは難病なんでしょうね、この歌の問題は、その難病「ではない」と言われたその後の心境にあるのでしょう。この歌、「ではない」とした打ち消し方が面白いなと思いました。「筋委縮性側策硬化症」という語は大変迫力のある言葉で、この病気の事態の重さが想像されますが、それが「ではない」と打ち消されても、つまり「見せ消ち」みたいな手法になっていて、この言葉は生きている。「ではない」と医者に言われて、ほっとした安心感と、でもこの身体の事態は何だろうという不安感とが「「身体をゆっくりと寝かす」という表現になっているように思えます。私たちも、日ごろ「−−ではない」、けれども、「ではなんだろう」という揺らぎの中にいると思わせられました。重い内容の歌ですが、表現の巧みさ、うまさに魅力があります。
なにはともあれ、お身体、大切になさってください。
Posted by 田宮ちづ子 at 2012年03月11日 06:35
ネットで知ったことですが、歌人の渡辺松男氏は、この病気を患っておられるそうです。
作者は、渡辺氏の歌を読みながら、そうではない自分の身体のことを思っておられる。
「筋萎縮性側策硬化症」という病名そのものを入れないと伝わらないことですが、ここの漢字の連続にインパクトがあります。
Posted by 近藤かすみ at 2012年03月11日 18:43
「言われたる」ですから,医師にその病気ではないと診断されたのでしょう。重篤な病のひとつではなかったのですが,田宮さんのおっしゃる「見せ消ち」のような効果によって,診断に至るまでの,その病気ではないかという不安感を抱いていた時間の長さや重さが伝わってきます。
また,「ゆつくりと」の語に,自分の体へのいたわりの心が表れています。
「寝かす」という他動詞からは,なんらかの不具合を抱えている身体を心配している主体の心が,身体から少し距離をもって客観視しようとして存在していることが感じられて,主体の微妙な心の状態がうまく表現されていると思います。
どうぞお大事になさってください。
Posted by 春野りりん at 2012年03月12日 09:43
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