2012年03月01日

第9回ネット歌会詠草/9

残された蜥蜴の尻尾が光りだす 私はいいから逃げ延びて さあ
posted by 短歌人会 at 00:31| Comment(4) | TrackBack(0) | 第9回歌会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
蜥蜴の尻尾切りで切られた尻尾が「私はいいから逃げ延びて さあ」という自己犠牲の言葉を蜥蜴の本体(?)に向けて語った、その姿が崇高なもののように思えて、尻尾が光りだすかのようであった、あるいは神さまはその尻尾の心根を称えて光をお与えになった、という歌として読みました。前後に物語があることが想像されます。連作のようなかたちなら、その物語が見えてきて、この蜥蜴の尻尾(の比喩で言われているひと)の言葉に感きわまったかも知れません。この一首だけだと、僕のようなヘソマガリ者は、こういう自己犠牲の精神を美化してそれに酔ってしまうのはまずいんじゃないか? という方への思いも湧いてしまいました。
Posted by 斎藤 寛 at 2012年03月14日 06:51
下句の口語がおもしろいと思いました。
1字あけですが音数14音。そのための「さあ」なんでしょうか。
ただ「延びて」は必要でしょうか?切迫しているシーンならは「逃げて!早く」でも・・・と人の作品で楽しんでしまいました。
Posted by 三田村まどか at 2012年03月18日 11:01
残された蜥蜴の尻尾が光るというのは何かの例えなのでしょうか。ここの部分の作者の意図によって解釈が変わってくる様には思えますが、素直にそのまま読んでいてもひとつの物語にのめり込める気がしておもしろい歌だなぁと思いました。1字あけが2カ所の部分と最後の「さあ」が結構効いていると思います
Posted by 照井 夕佳詩 at 2012年03月20日 08:56
下句、とても面白いと思いました。
照井さんが言うように、1字あけが2カ所の部分と最後の「さあ」はとても効いていると思います。
しかし「光りだす」はちょっとやりすぎのような気もします。「光りだす」までやってしまうと、ちょっと漫画っぽくなってしまうかなと思いました。
下句がじゅうぶん面白いので、「光りだす」はもう少しリアリティのある表現のほうが引き立つのではないでしょうか。
Posted by 木嶋章夫 at 2012年03月22日 18:01

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