この記事へのコメント
「たまきわる」は命にかかる枕詞。したがってこの歌では、たまきわる命のことにかかわり、考えさせられる靖国神社という意味で使われているのであろう。さらにその先にある九段会館はもっと強く命のことを考えさせられるという歌意は読みとれました。この「たまきわる」の使い方は悪くないと思いました。
ただ戦死者を祀るという靖国神社と九段会館をどのように捉えているのか、肯定的に捉えているようにも思いますが、そうなのかもうひとつ伝わってこないようにも思いました。
Posted by 永井秀幸 at 2012年05月10日 16:40
永井さんと同じように、「たまきわる」という枕詞の使い方は
「靖国」にかかることで「命」を強く思わせ、成功していると思います。

「九段会館」は3.11の震災時にたしか天井が崩落し、卒業式中の人が下敷きになって
死者・重軽傷者を出したことを思い出しました。
あれからの「九段会館」は閉鎖となり、下敷きになった犠牲者の遺族が
業務上過失致死罪で、日本遺族会会長と会館支配人を告訴したということです。

軍の施設として建設され、戦前は「軍人会館」と呼ばれたまさに象徴的な建物が
震災により結果的にこのようなことになったという、なんとも複雑な感情が湧きます。

作者が(靖国問題を含め)肯定的にとらえているか、否定的かという思想的なことまでは、
この一首からはわかりませんが、どちらにしても読み手各人のとらえかた・気持ちに
ゆだねますよ、というようにとれました。
Posted by 三島麻亜子 at 2012年05月11日 09:33
たまきわる靖国神社、その先にさらにたまきわる九段会館


九段会館について知識がなかったのですが、三島さんの評で少し分かりました。
「さらにたまきわる」と言う言い方に、少しばかりコミカルな響きを感るのですが、それって、わたしだけでしょうか。
Posted by 弘井文子 at 2012年05月12日 22:16
確かに、この歌コミカルかもしれない……。
要するに、
靖国神社、ご立派ねえ!!
九段会館、ますますご立派ねえ!!
と言っているわけですね。
もしかすると、究極の皮肉かも。
もし、間違ってたらごめんなさい。!
Posted by 田宮ちづ子 at 2012年05月13日 08:12
三句以下:意味としては、「その先に/さらにたまきわる九段会館」と切れるのでしょうか? それとも、「その先にさらに/たまきわる九段会館」? 私は前者のように読んだのですが、そうすると、九段会館の方が靖国神社よりも「たまきわる」度が高い、と言っていることになるかと思います。このように、もし「たまきわる」に程度があるとするならば、九段会館よりも靖国神社の方が「たまきわる」度は高いような気がするのですが、この作品では逆になっています。尤も、後者のように読めば、靖国神社も九段会館も同様に「たまきわる」と言っていることになるのでしょう。
「その先に」:位置関係のことを言っているのでしょうか? それとも、歴史的な時間のことでしょうか? 位置関係のことだとすれば、九段上の方から九段下を見ているということになるかと思います。あるいは、両方を見下ろす位置ということも考えられます。歴史的な時間とすれば、明治以来の強兵策の流れのなかに靖国神社があり、そして九段会館(軍人会館)があるというようなことを言っているのかも知れません。
以上二点は、どちらとも取れるように思います。
Posted by 大室ゆらぎ at 2012年05月14日 17:39
僕が最初に書いた肯定的か否定的かということで言えば田宮さんの見方が当たっているかもしれないと思い始めています。
Posted by 永井秀幸 at 2012年05月15日 16:55

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