2012年05月05日

第10回ネット歌会詠草/27

北野坂登り終わって振り向けば都会の顔した海がきらめく
posted by 短歌人会 at 00:06| Comment(3) | TrackBack(0) | 第10回歌会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「振り向けば」は要らないのじゃないかという気がするのです。主体の動作の説明ではないかと。ただ、坂を上っていってようやく坂の上にたどり着いて、その間は山手の方を見ているわけでしょう、それがぱっと「振り向いて」海を見る、そこにきらめく海がある、という状況を考えると、「振り向けば」というのは効果的かもしれない。
でも、北野坂というのは、ご存知の人も多いでしょうが、大した坂じゃない。ほとんど平坦と言ってもいいような坂ですね。その坂を上っていく時に「振り向けば」というのはあまり効果が無いような気がする。
でもこの「振り向けば」という言葉、ひどく<おさまりがいい>のです。これはこれでいいのかなという気もするのですが。
この歌のポイントは、「都会の顔をした海」という把握でしょうね。海に都会の海も田舎の海もなさそうなんですが、神戸の海は、ほんとに明るくて、なぜか洗練を感じます。あれはちょっときどって、都会の顔をしている、のでしょうね。
Posted by 田宮ちづ子 at 2012年05月06日 19:07
>北野坂登り終わって振り向けば都会の顔した海がきらめく


田宮ちづ子さんがお書きのように、下の句の「都会の顔した海」が、神戸 異人館 北野坂と言ったイメージに合って、お洒落な感じが出ています。わたしが行った時は、残念ながら小雨模様で、海を見下ろした記憶がありませんけれど。
「振り向けば」については、作中主体の動きが見えて、わたしはあった方が良いと思います。しいて言えば、「登り終わって」の方が説明的のような気がします。
Posted by 弘井文子 at 2012年05月08日 10:18
田宮さんが書かれているように「都会の顔した海」がこの歌のポイントだと僕もすぐ思いましたが、その感じがつかめなくてこの歌はどうだろうかと考えていました。しかしどこにあるか知らなかった北野坂が神戸にある坂だと知り、加えて前二者のコメントも読み、地名北野坂が生きている歌だと思いなおしました。
Posted by 永井秀幸 at 2012年05月22日 17:05

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