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2012年05月05日
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午後9時の横浜駅の構内で違ふ制服着てゐたA子
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この記事へのコメント
A子は女子高生ではなかろうか。夜の午後9時に、別の制服を着ていたというから多分アルバイトをしていたのであろう。どのような制服に変っていたのかが判るとよいのだが。
Posted by 秋田興一郎 at 2012年05月06日 06:36
この歌、面白いな、と思いました。A子は駅構内で勤務している、よく見かけるけれども、個人的には知らないある人間として主体が見ている人間で、記号としてA子と名付けたのかと思いました。駅構内っていろいろの記号がいますから。
でも秋田さんの書かれているように女子高生とも取れるのですよね。それも自分が旧知の女子高生とも取れる。主体にとって、A子さんとはいかなる存在なのでしょうね。ちょっと分かりにくい。
よく見かけるけれども、個人的には知らない人って、私たちの周りにはたくさんいて、交番の巡査さんB、スーパーのレジの人C、リトル・マーメイドのDさんとか、皆さん制服を着ているので、記号として存在している。駅構内にいるA子さんもそういう一人かな、と解釈してみました。その制服がある日変化した、というのは記号Aが記号aに変わったというレベルの変化だと思うのです。そういう日々の変化に取り巻かれている現代社会の一面、として捉えてみたのですが、A子さんとは主体にとって少し気になる、記号以上の人かもしれないですね。
Posted by 田宮ちづ子 at 2012年05月10日 04:49
>午後9時の横浜駅の構内で違ふ制服着てゐたA子
初句「午後9時」と言う限定、横浜と言う大きな街の雑多な人々が行き交う駅、そしてA子と言う匿名性、都会に暮らすひとりの少女の物語世界が作者によって提出されてゐます。
Posted by 弘井文子 at 2012年05月21日 21:58
>午後9時の横浜駅の構内で違ふ制服着てゐたA子
短歌の中で、A子といった表現を見ることが少ないので新鮮だと思いました。午後9時、横浜駅、A子という言葉から、現代の都会のイメージがありながら、旧かな表記で、違ふ、着てゐた・・・が出てくるのも面白いです。
Posted by 近藤かすみ at 2012年05月21日 22:27
旧かなづかい、口語というのが不思議な感触。
「A子」の表記が目を引く。
田宮さんがおっしゃっているように記号性を表しているのか、固有名詞を避けるためにAとしたのか。
理由はともあれ、「A子」には記号性を感じました。
歌謡曲の「わーたーしー少女A」の「A」といった感触です。
A子さんが着ている制服は、おそらく二種類だと思うのですけれど、その二種類がどんなものかによって、読みは変わってくると思います。
両方とも学校の制服なのか、学校の制服と学校以外(職業もの、その他)なのか、その他とその他なのか。
どのケースにおいても、A子さんの異なる側面を見た、といった部分は共通していますが、よその学校の制服をきていた場合は一種のコスチュームプレイでしょうし、学生が職業的な制服をきていた場合はアルバイトなどの面をみたことになるでしょうし、社会人がほかの職業の制服をきていた場合は二足のわらじで、場合によっては裏の顔的な雰囲気もでてくると思います。
こういった内容の違いによって、いつもと違う顔を見た、という歌意であったり、アルバイトをしていることを「違う制服を着ている」と言ってみただけのものだったり、受けとる感じがかわってくると思います。
「午後9時の横浜駅」がいいですね。ここが鍵になるかもしれません。
Posted by 來宮有人 at 2012年05月22日 20:15
午後9時の横浜駅の構内で違ふ制服着てゐたA子
駅構内で着る制服というと、駅構内で勤務する姿をまずは考えます。移動中なら通常は私服姿でしょうから。そして、彼女はもうひとつふだん着る制服があるとなると、学生と考えるのが自然と思います。つまり、作中主体は学校の制服とは違う制服で夜おそくまでアルバイトをしている女子高生を眺めている。
中身はおなじなのに服装がちがうだけでずいぶん印象が違う、ということは間々あります。特に、気になっている異性ならなおのこと。
それだけでも一首成立するように思えるのですが、「A子」という匿名性の強い表現をすることで作中主体と「A子」の関係性が捉えにくくなってしまいました。
議論を呼ぶ作品になりましたが、作意どおりに読者に伝わったのかは、いささか疑問ではあります。
Posted by 村田馨 at 2012年05月23日 06:50
A子としたのが妙に気になります。あまり短歌ではつかわない表現で。<おかえりなさいませ御主人様>かと一瞬おもってしまいました。でもあれは秋葉原だし。
やっぱりアンデルセンの制服?
作者の方、ほんとうのところをおしえてください。
Posted by 青柳泉 at 2012年05月24日 16:52
桑原憂太郎です。
評していただいた皆様ありがとうございます。
「A子」「制服」で、女子高生を歌い、「午後九時」の「駅の構内」での「違ふ制服」で、援助交際などの淫靡な感じを醸し出そうとしました。また、「A子」からは、未成年の週刊誌的ゴシップのイメージが出せるかなとも思いました。
「A子」表記は、これまで、単なる記号的なものとして、あまり気にせずに結構詠んでいたのですが、今回の皆様からのコメントで、詠み方を見直すよい機会になりました。
はじめて、歌会に参加させていただきましたが、とても勉強になり、他の皆様の歌を読むことで刺激にもなりました。
また、参加しますね。
ありがとうございました。
Posted by 桑原憂太郎 at 2012年05月28日 21:34
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初句「午後9時」と言う限定、横浜と言う大きな街の雑多な人々が行き交う駅、そしてA子と言う匿名性、都会に暮らすひとりの少女の物語世界が作者によって提出されてゐます。
短歌の中で、A子といった表現を見ることが少ないので新鮮だと思いました。午後9時、横浜駅、A子という言葉から、現代の都会のイメージがありながら、旧かな表記で、違ふ、着てゐた・・・が出てくるのも面白いです。
「A子」の表記が目を引く。
田宮さんがおっしゃっているように記号性を表しているのか、固有名詞を避けるためにAとしたのか。
理由はともあれ、「A子」には記号性を感じました。
歌謡曲の「わーたーしー少女A」の「A」といった感触です。
A子さんが着ている制服は、おそらく二種類だと思うのですけれど、その二種類がどんなものかによって、読みは変わってくると思います。
両方とも学校の制服なのか、学校の制服と学校以外(職業もの、その他)なのか、その他とその他なのか。
どのケースにおいても、A子さんの異なる側面を見た、といった部分は共通していますが、よその学校の制服をきていた場合は一種のコスチュームプレイでしょうし、学生が職業的な制服をきていた場合はアルバイトなどの面をみたことになるでしょうし、社会人がほかの職業の制服をきていた場合は二足のわらじで、場合によっては裏の顔的な雰囲気もでてくると思います。
こういった内容の違いによって、いつもと違う顔を見た、という歌意であったり、アルバイトをしていることを「違う制服を着ている」と言ってみただけのものだったり、受けとる感じがかわってくると思います。
「午後9時の横浜駅」がいいですね。ここが鍵になるかもしれません。
駅構内で着る制服というと、駅構内で勤務する姿をまずは考えます。移動中なら通常は私服姿でしょうから。そして、彼女はもうひとつふだん着る制服があるとなると、学生と考えるのが自然と思います。つまり、作中主体は学校の制服とは違う制服で夜おそくまでアルバイトをしている女子高生を眺めている。
中身はおなじなのに服装がちがうだけでずいぶん印象が違う、ということは間々あります。特に、気になっている異性ならなおのこと。
それだけでも一首成立するように思えるのですが、「A子」という匿名性の強い表現をすることで作中主体と「A子」の関係性が捉えにくくなってしまいました。
議論を呼ぶ作品になりましたが、作意どおりに読者に伝わったのかは、いささか疑問ではあります。
やっぱりアンデルセンの制服?
作者の方、ほんとうのところをおしえてください。
評していただいた皆様ありがとうございます。
「A子」「制服」で、女子高生を歌い、「午後九時」の「駅の構内」での「違ふ制服」で、援助交際などの淫靡な感じを醸し出そうとしました。また、「A子」からは、未成年の週刊誌的ゴシップのイメージが出せるかなとも思いました。
「A子」表記は、これまで、単なる記号的なものとして、あまり気にせずに結構詠んでいたのですが、今回の皆様からのコメントで、詠み方を見直すよい機会になりました。
はじめて、歌会に参加させていただきましたが、とても勉強になり、他の皆様の歌を読むことで刺激にもなりました。
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