この記事へのコメント
今年、同じく夏風邪に悩まされた身としてすぐに「わかるわかる」と思い共感した一首でした。「あさけ」は「朝明」ですがここは漢字が続くのを避けてひらがなでよいと思います。「あさけまもなくさだまりて」が巧い。朝から蝉の声が盛大に張り付いてしまって暑い暑い一日がはじまった。いよいよ夏風邪から逃げられなくていやーな日になる。定型ぴったりでリズムもよく、よい歌と思います
Posted by 永井秀幸 at 2012年09月07日 16:34
文語脈の中に「逃げる」という現代語が混ざっています。古語と現代語を組み合わせた歌は最近よく見かけますが、この歌の場合、それが成功しているのかどうか?
「あさけ」という殊更にクラシックな言葉を使っていることもあり、どうも「逃げる場所なし」は浮いているような。浮いているというよりも、「逃げる場所なし」自体が常套句であることが問題なのかも知れません。上句との落差から生じるユーモアのようなものを狙っておられるのかなとも思うのですが、もしそうだとすると、その狙っている手付きが見えてしまうようでもあります。
最初に、「文語脈の中に『逃げる』という現代語が混ざっている」という言い方をしましたが、下句の文体自体が上句の文体に比べて時代的に新しいようです。上句の文体がいちばん古くて、次が「場所なし/夏風邪のわれ」あたり、「逃げる」は現代語。細かく見て行くと、こうした微妙な混在の意図は何なのか?と気になります。
Posted by 大室ゆらぎ at 2012年09月18日 06:26
朝明のころから鳴き始めるせみの声に、夏風邪の身をまるで鋲でとめられたように感じた歌かととても面白く読みました。「さだまりて」が「逃げる場所なし」とうまく呼応しています。
現代語と古語の混在は私はあまり気になりませんでした。

Posted by 岩下静香 at 2012年09月24日 05:52