この記事へのコメント
【選歌集計結果=5票】
【投票者=織田れだ/梶崎恭子/さとうひろこ/勺 禰子/吉岡 馨】
Posted by ネット歌会集計担当 at 2012年11月08日 08:50
一篇の小説を短歌に凝縮したようなドラマ性に魅かれました。「着陸」という語が上句と下の句をつなぐポイントで、「消えかかる手首の傷に着陸し」というのは、いろんな事情や心の変遷を想像させますし、「着陸」は一つの完結であり、下の句は眼前の情景が別れと新たな旅立ちを表現していると思いました。
Posted by さとう ひろこ at 2012年11月08日 10:19
一票投じながら無責任ではあるのですが、正直よく分からないお歌です。
手首の傷というのは自傷であろうけれど、歌からはその深刻さが無い。申し訳ないけれど作者自身というより何かフィクションの感じを受けてしまいます。反対に三句以下は、空港のせわしない飛行機の発着がジャンボジェットという具体物のボリュームのあるイメージでありありと浮かびます。もやもやする前半、力強い動きのある後半のイメージのぶつかり合いがこの歌のよさであると思いました。
Posted by 吉岡馨 at 2012年11月13日 17:42
きえかかる手首の傷に着陸し飛びたってゆくジャンボジェット機


初句二句が、はっとさせます。自殺未遂か、リストカットの痕だろうかと・・・歌われている内容がとても重い苦しいものなのだろうかと思わせられます。
でもそう思ってよく読むと、その傷は「消えかか」っているのです。その傷の時から、作中主体にはかなりの年月が流れていることに気づきます。

この初句二句と、一見脈絡のない結句が、三句「着陸し」で繋がれることで、物語を感じさせることに成功しています。

「傷に」の助詞「に」が、傷のような滑走路をイメージさせます。あるいは空港の見送りのロビーのようなところで作中主体がジャンボジェット機を見送っているようなイメージも重い浮かぶのですが・・・

大きな機体が飛びたってゆく、という表現には、力強さや希望や解放感といったイメージがあります。それが、読者の読後感を明るくしてくれます。

Posted by 梶崎恭子 at 2012年11月15日 00:36
傷が癒えるのにかかる時間に対して、ジャンボジェット機の着陸〜離陸はほんの束の間のことですね。
このジャンボジェット機が飛び立った後はどうなるのでしょうね。
また違う飛行機がやってくるのかもしれないし、これっきりなのかもしれない。
でも、どちらにしても、そのうち傷はすっかり消えてしまうのでしょうね。
Posted by 織田れだ at 2012年11月26日 00:00
はっきりわかったかと言えばわからないながらも、こういう喩の歌はあまり短歌人にないような気がして魅かれました。
梶崎さんがおっしゃるように、手のひら(しかも傷が癒えているとはいえまだ見えている)という小さなものからジャンボジェット機というとても大きな塊が飛び立つというイメージが読後感を明るくしてくれているような気がします。
が、本当は傷は消えていないのだから、そんなか弱いものからジャンボジェット機が飛び立てば余計に傷を残すのかもしれない…そこは微妙に悩むところです。
Posted by 勺 禰子(しゃく・ねこ) at 2012年11月26日 03:24

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