2013年05月01日

第15回ネット歌会詠草/27

引千切(ひちぎり)と言へる優雅な雛の菓子前衛めきてあかずながめる

※カッコ内はルビ

【選歌集計結果=1票】
【投票者=藤原龍一郎】
posted by 短歌人会 at 00:01| Comment(2) | 第15回歌会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
引千切(ひちぎり)というお菓子は全く知りませんでした。
調べてみると京都では雛まつりの日に食べるのが一般的なのだそうです。
平たい丸い餅に小さい耳のような形がついて、その形からあこや餅とも呼ばれるそうです。
そして餅の上に丸い餡が乗っています。
初めて見るので不思議な形。
作者はこの餅を前衛めきてという・・・感じ方は人それぞれですね、私は前衛的というのがわかりませんでした。
しかし初めて見たらじっと見てしまう気持ちはわかる気がします。

Posted by 海野 雪 at 2013年05月09日 20:15
西五辻芳子の作でした。
選歌して頂きました藤原龍一郎さん有り難うございました。
歌評して頂きました海野雪さん有り難うございました。
京都の雛祭りのお菓子を、初めて見た時の作です。
雛祭りは中国の上巳(じょうし)の節句がもとで、川で禊をし邪気をはらい「竜舌餅」という母子草を使ったお菓子があるそうです。そのようなルーツをふまえ「引千切」は宮中の「戴餅」がもとになったお菓子です。紫式部日記に戴餅はでていますから、かなり古い伝統のある形のお菓子なのですが、海野雪さんが書かれたようなフォルムで杓子型の真ん中にまるい餡がのっていて杓子の柄が少しひきちぎった形で、前衛彫塑のようなフォルムなのです。一番最初にこうしようと創った方は、数多くつくるので、ひきちぎったにしましても古典をふまえ前衛的な感性であったのではないでしょうか。

では、私は創作する時どうなんだろうか。
Posted by 西五辻芳子 at 2013年05月28日 19:36