2013年11月01日

第17回ネット歌会詠草/14

街路樹は秋の終りの陽をあびて佇立す醜の御楯のごとく

【選歌集計結果=2票】
【投票者=生沼義朗/西五辻芳子】
posted by 短歌人会 at 00:16| Comment(3) | TrackBack(0) | 第17回歌会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
この歌の眼目は醜の御盾ですよね。戦後生まれの私には、ほう、こんな言葉もあったのかと・・聞いたことはあるけれどほどの知識しかありません。たぶん国を守る国民、自分をこう称していたのでしょう、わずかな知識に間違いがなければ。
今年の猛暑のせいで我が家の近くの街路樹、桜その他も紅葉することなく、枯れ落ちています。
その意味では的確で思いがけない比喩だと思いました
Posted by 青柳泉 at 2013年11月07日 13:47
>街路樹は秋の終りの陽をあびて佇立す醜の御楯のごとく

「醜の御楯」、「しこのみたて」と言う言葉初めて知りました。広辞苑によると万葉集に出ているそうです。
佇立する街路樹を「御楯」、天皇をお守りするための楯となる防人、武人に喩えておられます。
西安の兵馬俑などを思い浮かべました。
Posted by 弘井文子 at 2013年11月08日 14:39
街路樹は秋の終わりの陽をあびて佇立す醜の御楯のごとく

落葉したあとの街路樹を「醜の御楯」と万葉集を踏まえて詠われたお歌です。
万葉集(20)「けふよりはかへりみなくて大君の醜の御楯と出で立つわれは」
とあり天皇の楯となり外敵を防ぐ防人が自ずからを卑下して醜といっているのですが、
本歌どりはそのまま取り入れず組み込むものですから、「がんじょうな衛兵」ぐらいの
意味でよいと思いますが、いかがでしょうか。
確かにごつごつとしていますし道路を挟んで整然と街路樹が並んだ様は頑丈な衛兵が
ならんだようにも感じられます。
眼目は「屹立す」ではなく「佇立す」を選択されているところで、前者はひとがうごかず直立するさまで、後者はどちらかといえばしばらくの間たちどまること。
とてもミステリーめいてくるわけで、作中主体はきっと闇夜にひきつれていくのでしょう。
さあ物語のプロローグのはじまりです。
Posted by 西五辻芳子 at 2013年11月13日 06:22

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