この記事へのコメント
三句の「白壁」の説明句として、「アル中のユトリロの描く」とあるが、「ユトリロの描く」はいいとして、「アル中」の説明までなくても、いいのではないかと、私は思います。また「描く」を作者は「かく」と読ましているようですが、絵ですから「えがく」と読むほうが良いのではないか、と思います。その場合は「の」を取って、「ユトリロ描く」で良いのではないか、と思いました。
ところで、「白壁のかなしみ」とは何でしょうか。ユトリロの「白の時代」、二十七歳〜二十九歳の頃の彼の生活環境の内面をさして、その心の有り様を「かなしみ」と作者は言いたいのでしょうか。とすると、作者はユトリロの年譜なりをかなり知っていることになる。したがって、「かなしみ」が作者の心中に入って来るのでしょう。
あと、これが一番、私の言いたいことですが、…「沁みて」の位置が、「こころ」の上にあることはとても感心するところです。これによって、「白壁」に「かなしみ」が沁みて、すなわち「かなしみ」の沁みた「白壁」が心に侵入してくる様が強調されます。とても、いい位置に「沁みて」を置いたと、感心しました。
Posted by かわすみさとる at 2017年02月11日 20:15
わりと過不足なく、詠み手の気持ちが、読者に伝わるという意味で、完成度の高い歌だと思います。かわすみさんは「アル中の」という説明は要らないのではないかと仰っていますが、この五音で、ユトリロという人の環境背景内面など多くのことを想像させますので、外せない気がします。先入観で見てしまうきらいはありますが、短詩形の限界であって、この1首は見事に訴える力があると思います。ユトリロの絵と共通する静かな哀しみと確信の様なものを感じます。
Posted by さとう ひろこ at 2017年02月13日 10:45
ユトリロの白壁ですね、個人的に大好きです。あの、風景や他のあらゆる色彩の中から妙に生々しい質感と動きを持って浮き出てくる白壁、それを見る時いつも何かが物凄い質量で込められているような気がずっとしていましたが、この作者の方も恐らくは同じように感じておられたのかなと、少し嬉しくなります。初句はそのまんまに読めますが、ユトリロを解説するにこれ以上の言葉はないと思います。
Posted by 高良俊礼 at 2017年02月13日 20:21
大変よく分かる歌で、題材選びに感心しました。しかし、その反面題材そのものが歌を支配してしまっているようにも感じました。つまり、ユトリロという固有名詞を前提にするならば、下句の内容は上句の題材の内に既に含まれており、歌としては新しい領域に踏み込めていないように思えるのです。過不足がなく手堅い歌なので、冒険が見たいというのも欲張りな話かもしれませんが。
Posted by 鈴木秋馬 at 2017年02月25日 03:08
作者は永井秀幸でした。
さとうさん、高良さん、作者にとって嬉しい評を誠にありがとうございました。
かわすみさん、鈴木さん、参考にしたい貴重な評をありがとうございました。
Posted by 永井秀幸 at 2017年02月27日 16:32
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