この記事へのコメント
ミステリアスな歌です。ミステリアスなところがいいなとも思います。

深夜の海を誰か泳いでるとわかる作中主体は、どこから海をみているのでしょう。海中にいるのでしょうか。
魚だった日のようにと言えるのは、かつて魚だった人だけではないでしょうか。人魚でしょうか。

「こぼこぼ」は、魚だったことにかかっているのか、魚だった日にかかっているのかわかりません。なんとなく、水槽のエアーポンプの感じがするので水中をイメージさせる言葉です。
「こぼこぼ」と水中を思わせるオノマトペからはじまっているせいでしょうか、自然と不思議な世界観に入っていけた気がします。
Posted by 葉山健介 at 2017年08月11日 00:22
一読、アンデルセンの物語 『人魚姫』の世界を思いました。

初句「こぼこぼと」のオノマトぺが、愛する王子を殺せずに海の泡となってしまう人魚姫の結末をほのめかせているようです。真夜の海原からは深く冥い広い海面を想起するので、人が泳いでいるイメージではないように感じます。

人間のすがたにはなれたけれど、王子の愛情を得られなかった人魚姫は悲しい愛に殉じ、人魚に戻らない道を選びました。

ただ魂だけが人間のまま、船上から泡となったわが身、むかし、魚のように泳いでいたころの姿を見ている、そんな幻想的な世界を立ちのぼ
らせてくれる作品だと思います。

深読みになるかもしれませんが、属する場所を失ったものの悲しみを、夜半細い月の光とともに作者は海面に見ていたのかもしれません。
Posted by 柊慧 at 2017年08月11日 12:28
今回の詠草中、この歌が一番面白いと思いました。
 しかし、面白いというのはよくわかる、という事ではありませんで、分からないことだらけです。でもその分からなさが楽しいと思います。
 「さかなでありし日のごとく」は(真夜の海原)「およぐ」に掛かる直喩です。今は既に魚ではないその者に、過去に魚であった時のようにと言っています。過去に魚であった者は誰なのでしょう。今はどのような姿なのでしょう。「だれ」とはヒトを意味するのか、果たしてヒト以外も含む疑問詞なのか。今真夜中の海原を泳いでいるのは誰なのでしょう。
 そもそも、真夜中の海原を泳いでいる者が居るのでしょうか。問い掛けている主体からはその<泳ぐ者>が見えるのでしょうか。それとも、海原は遥か彼方で、主体からは見えない遠い海原を思い浮かべているのでしょうか。
 「こぼこぼと」は「およぐ」を修飾するのでしょうか、それとも「さかなでありし」に掛かるのでしょうか。いずれにしても独特なオノマトペなので、一首を飾る効果音と取っても良いのかもしれません。泡の音を思い浮かべます。
 斯くして意味は良く分からない、けれども静かで暗く星が瞬き月が海面を照らす真夜中の海原を何かが泳いでいる。それに何か尋ねる主体の問いかけ。こういう静かな情景と雰囲気がとても美しい歌だと思います。作歌法としては高度なテクニックだと思いました。

 読みとしては一つ前の柊慧さんの読みが美しいと思います。それで十分なのですが、自分も取っているので拙い感想を書いてみました。
Posted by 安野文麿 at 2017年08月13日 14:11
こぼこぼと、というオノマトペがいいなぁと思いました。
魚は泳ぐ時にこぼこぼとは言わない気がするので、これは真夜の海原を泳いでいるだれか、の息なのかなと最初は思ったのですが、水に潜っていくときのこぼこぼいう音を思い浮かべて想像した海なのかもしれないですね。
魚みたいに泳げたら、映画グランブルーのような美しい世界も、真夜中の真っ暗な海中も深海魚みたいに泳げるのかしら、と自分が泳いでるように楽しみました。
Posted by 蒼あざみ at 2017年08月22日 00:42
こぼこぼとさかなでありし日のごとく真夜の海原およぐのはたれ

作者の西五辻芳子(にしいつつじよしこ)です。
選歌して頂きました安野さん、蒼さん、津和さん、葉山さん、有難うございました。
コメントして頂きました葉山さん、柊さん、安野さん、蒼さん、有難うございました。
津和さんのコメントをお待ちしています。
普段歌会に出ない私にとつて、ネット歌会は本当に勉強になるのでありがたく思っています。
 葉山さん素晴らしい歌評を有難うございました。歌意が伝わり嬉しく思いました。
 柊さん丁寧にあじわっていただき嬉しく思いました。「人魚姫」ですか。想定外でしたが、私が詠みたかった世界を深く歌評して頂き嬉しく思いました。
安野さん、今回の歌会でこの歌がいちばん面白かったとコメントして頂き有難うございました。
一首にまとめるのに月日を要したので歌意が伝わり嬉しく思いました。
 蒼さん、グランブルーの世界は素敵ですね。有難うございました。
 皆様お読み下さり有難うございました。
Posted by 西五辻芳子 at 2017年09月03日 15:42
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