この記事へのコメント
力強く詠まれている一首で、物語も伝わって来て、惹かれました。「じんじんと」は「渇く」「歩け」の双方にかかっている、と感じました。じんじんと渇く、じんじんと歩く、どちらも言い慣わされた形容ではありませんが、あまりにも外れた形容というわけでもなく、その中間あたりをうまくつかまえているように思います。「歩け」の命令形で切れる、と一読わかるので、一字アケはしなくてもいいのではないかと思いました。下の句で季節もストレートに伝わります。今、真夏の駅のホームで人と別れて来た。もう二度と会うことはないだろう。悲しいけれど、この悲しみには負けないぞ…、というような物語を思いました。
Posted by 斎藤 寛 at 2018年08月18日 07:58
 前評斎藤さんの指摘の通りですが、初句「じんじん」がうまくいった歌と思います。ちょっとしたズラしの技法がうまくはまった、と私も読みました。
「駅コンコース」は、これ、そんなに無理のない言いまわしなのでしょうか。田舎ものなのでわかりませんでした。
Posted by 桑原憂太郎 at 2018年08月19日 12:18
普通「じんじん」というと「じんじん痛む」などの使い方です。
しかしこの歌のような使われ方でも違和感はなく、作中主体の悲しみを振り払うのだという意志を表すのに語感も合っている気がします。
また真夏の熱風は涙を早く乾かしてくれそうですね。
Posted by 海野 雪 at 2018年08月21日 09:27
じんじんと涙が乾くまで歩け 駅コンコースに熱風は吹く

初句「じんじん」は海野さんがご指摘のように「痛み」や「痺れ」によく使うオノマトペですが、あふれる涙がつらい涙であることを読者に伝え一切何も語らない強さにひかれ、選歌させていただきました。
 斎藤さんが評されている「じんじん」の副詞としてのかかり方は「じんじんと乾く」は灼熱の真夏の
イメージと重なり「じんじんと歩け」は読者のもつ「じんじん」のイメージと相反するのが歌の技となっている。(桑原さんが評されているズラしの技法)
下の句、冷房の効いた電車から駅コンコースに出た時の温度差と真夏の熱風を上手く情景描写している。上の句と下の句の切れ目が一字あけになっているのは、縦書きにすると寸断されてしまうのであけなくても字面は整いそうです。
Posted by 西五辻芳子 at 2018年08月23日 22:59
じんじんと涙が乾くまで歩け 駅コンコースに熱風は吹く

上の句に惹かれました。「駅コンコース」という言葉には「別れ」が似合うかもしれませんね。私は悔しくて悲しくて本当に辛い思いの涙を拭おうともせず、自分に「歩け」と命令しているところに惹かれたのです。

「じんじん」が「乾く」あるいは「歩け」にかかっているのですが「じんじん」そのものが悔しい事、悲しい事、辛い事などを想起させているように思いました。

熱風の中を、涙も拭わず、人目も気にせず、まっすぐに歩いている姿を想像し、共感しました。
Posted by 鎌田章子 at 2018年08月24日 08:31
 一番に選んだ、好きな一首です。先行評にあるとおり「じんじん」の使い方が絶妙だと思います。力強い悲しみ、を感じます。

 コンコースは、駅や空港や公園などの中央ホールや広場をいうので「駅コンコース」でいいと思います。
Posted by 弘井文子 at 2018年08月24日 09:45
人気の1首で、すでにたくさんの方が魅力的な解釈をされていますが、私も強烈に惹きつけられました。

涙を流している理由は分からないけれども、人混みの中をひとまず自分の気持ちがおさまるまでは、立ち止まって涙を拭いたりせずに歩み続けようとする強い意志が感じられ、圧倒されるようでした。
熱風は、ふつうであれば気持ちのいいものではないけれども、今はそれさえ、悲しみを紛らせ涙を乾かしてくれるものとして、ありがたいような感じが伝わってきました。
とてもドラマチックで魅力的な1首だと思います。

一字あけについては、私も、無くてもいいかな、と思いました。
Posted by 加藤隆枝 at 2018年08月24日 22:15
皆様の的確な批評・鑑賞に加えることはありません。
「若さ」の魅力を感じるお歌だと思いました。
Posted by 山中 もとひ at 2018年08月30日 11:34
作者の佐藤です。
3首のうちに選んでいただいた皆様、コメントをくださった皆様、ありがとうございます。

拙い文ですが、いただいたコメントに以下のとおり返信致します。

>>斎藤さん
こまやかな評をありがとうございます。自分の歌は命令形になることがたまにあるので、一字アケについては気をつけて詠もうとおもいます。

>>桑原さん
評をありがとうございます。駅コンコースについては再考の余地がありそうです。ご指摘ありがとうございます。

>>海野さん
評をありがとうございます。コンコースは人が多くいることもあり、熱風といったときに
読み手がじめじめした感じを想像するか気になっていました。
「乾きそう」とイメージされたとのこと、確認できてよかったです。ありがとうございます。

>>西五辻さん
評をありがとうございます。ずらしの技法について、詳細に説明してもらえて嬉しかったです。
詠み手としてはあまり意識していなかったのです・・・(お恥ずかしいです)
ネット歌会でも、縦書きの視点を忘れないようにしようと思います。

>>鎌田さん
評をありがとうございます。
命令形について、主体が主体自身に言い聞かせている様子で読まれたとのこと、
確認することができてよかったです。
駅コンコースというところから、一目がある=人がある程度いるというイメージがあるのですね。
舞台の設定の際に意識するようにします。

>>弘井さん
評をありがとうございます。
駅コンコースについてご意見をいただけて嬉しいです。
また、私の歌から弘井さんの心に何か届くものがあったとしたらとても幸せです。

>>加藤さん
評をありがとうございます。
一字あけについては再考するとともに今後の推敲のポイントとして気をつけます。
加藤さんの感じた「ドラマ」について詳細に知ることができ、
詠み手としてとてもありがたく、また嬉しく思います。

>>山中さん
評をありがとうございます。
自分は「若い」と言われるのをとても恥ずかしい、嫌だ、と思うことが多いのですが、
今回、若さを「魅力」として表れた歌が詠めたということは、少し嬉しく思います。
ありがとうございます。
Posted by 佐藤ゆうこ at 2018年09月11日 20:19
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]