歯みがきのチューブ身もだえのけぞりて訴えてくるこれ以上、無理
【選歌集計結果=6票】
【投票者=庭鳥/佐藤ゆうこ/吉岡生夫/国東杏蜜/木村昌資/太田青磁】
【投票者=庭鳥/佐藤ゆうこ/吉岡生夫/国東杏蜜/木村昌資/太田青磁】
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自分では動けないはずのチューブが「身もだえのけぞり」する様子がユーモラスです。
そのチューブの肉声(?)で「これ以上、無理」と言われている感じがしました。
「以上」と「無理」の間には確かに一拍くらい溜めがあるな・・・と思います。
読んで面白かったです。
モノを擬人化すると、可愛らしさや愛おしさを生みやすい効果がありますが、このチューブも、そういう効果があると思いました。
ついに、主体は、チューブの声まで聞いてしまうのですから、相当チューブを愛おしく感じているのだと思います。
だってムリって絞ってる人が言ったのだったら歯磨きはもう出ないんですけど、ムリってもしチューブが言ったのだとしたら、それはちょっとは出たってことじゃないです? っていうのが面白いです。
前評者の方々と同じく楽しく共感しました。
このお歌も、外出自粛中の一コマなのでしょう。
なるべく買い物も少なく三日以上あけてとなると買い忘れるんですよね。
しかしながら外出せず使いきる作者、そこで歯みがきの作中主体がとんでもない形状で
「これ以上、無理」と訴えてくるところが絶妙ですね。
切羽つまった時ほど、ゆかいな歌がうかぶものです。
共感していただき、うれしく思いました。
チューブを絞って最後まで使い切るのは結構快感で、これで最後かな、と思ってからも案外絞り出せるので、何回かくり返したあと、ほんとにさすがにこれが最後だな、と思ったとき生まれた一首でした。