2020年08月01日

第43回ネット歌会詠草/9

猫バスを待っているような黄昏の糺の森は雨にけぶれる

【選歌集計結果=4票】
【投票者=木村昌資、国東杏蜜、光本博、吉岡生夫】
posted by 短歌人会 at 00:21| Comment(7) | 第43回歌会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
京都の糺の森を訪れたことはありませんが、森見登美彦の「有頂天家族」によると狸の一家が住んでいるようです。もっともここでは「猫バス」ですが、それを待っているような夕方の雨の森であると述べられています。
糺の森は下鴨神社の境内でもあり、雨の夕刻に何が出てもおかしくない、そういう神秘的な情景だとお感じになったのでしょう。
「猫バスを待っている」は作者の願望もこめられているようですが、猫バスに乗ってどこへ行きたいと思っているのかも気になります。
Posted by 光本博 at 2020年08月08日 21:09
猫バスと糺の森の取り合わせが新鮮というか、なるほどと心惹かれました。
具体的には「となりのトトロ」の「梅雨の季節となったある夜、サツキとメイが森にあるバス停で雨の中父の帰りを待っていると、そこへ頭に葉っぱを乗せたトトロがやって来る。ずぶ濡れのトトロを見かねてサツキがお父さんの黒い傘を貸してやると、トトロはお礼に木の実が入った笹の葉の包みを渡し、バスの姿をしたネコ(ネコバス)に乗って行ってしまう」(ウィキペディア)の場面です。
Posted by 吉岡生夫 at 2020年08月15日 09:06
糺の森で葵祭の行列を見たことがあります。
木漏れ日のもと雅な装束の人々や牛車や馬がゆるゆる進む道を、黄昏に疾走するワイルドな猫バス!
取り合わせの妙に、わくわくします。
ジブリ映画には日本の絵巻などに由来する場面も多く、この歌のイメージには説得力があります。
「雨にけぶれる」としっとり結んだことで、短歌ならではの味わいが増していると感じます。
バスの行先表示器の文字は(この歌を)読む人によって、くるりと変わるのかもしれません。
私も、作者のイメージする行先をお聞きしたいです。
Posted by 川上幸子 at 2020年08月16日 08:58
森全体がふさふさでしましまの猫バスのようにもおもえますし、それを待っている雨の日のトトロのようでもあります。そのくっきりさせない感じがジブリのアニメの絵そのままとはちがう、といっているようです。

わたしは糺の森をフィクションの舞台としてみてしまっているので、そこに猫バスという別のフィクションが登場する(のを待っている)というのが楽しくおもえました。
Posted by 国東杏蜜 at 2020年08月20日 15:55
「となりのトトロ」 劇場公開時のポスターが脳裏に浮かんできました。たしか、傘をさした少女が、バスを待っている絵でした。
どこへ行くバスなのか? 想像力をかき立てられます。
Posted by 木村昌資 at 2020年08月21日 16:01
この歌、1箇所気になったのは2句「待っているような」が8音で字余りになる点です。初句が「猫バスを」ですし、「待ってるような」と7音に収めたら一首全体が音数通りになって収まりが良いのでは? と思いました。
Posted by 斎藤 寛 at 2020年08月21日 16:43
作者の馬淵です。
この歌に票を入れてくださった方々、また有意義なコメントを寄せてくださった方々に感謝しております。


梅雨の季節、下賀茂神社を訪れたとき詠んだ歌です。静寂と神聖な雰囲気ではあるのですが、小雨の降る森に立っていると、あのトトロの世界にいるような感じがしました。

行先は月並みですが、トトロの住む森に行ってみたいですね。

斉藤さんのご指摘有難うございます。
自分でも一読したときなんだか調べがよくないなと思っていたのですが、この字余りでしたね。気づかせていただいて勉強になりました。
Posted by 馬淵のり子 at 2020年08月24日 11:27
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