2020年08月01日

第43回ネット歌会詠草/7

前肢で目隠しをして眠る猫の森の住人のような意固地さ

【選歌集計結果=5票】
【投票者=高良俊礼、笹渕静香、竹田正史、西五辻芳子、庭鳥】
posted by 短歌人会 at 00:23| Comment(8) | 第43回歌会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
前肢で目隠しをして眠る猫の森の住人のような意固地さ

目隠しをして眠る猫の様子を想像し、面白さ可愛らしさを感じました。初句と二句がその猫のこだわりに思えました。それが意固地的レベルと自分は捉えました。森の住人として、こだわりを持ちながらある種森を守っている主と呼んでもいいかもしれないと感じました。
Posted by 笹渕静香 at 2020年08月09日 15:45
「目隠しをして眠る猫」は飼い猫なのでしょう。野良猫だったら寝ていても警戒していて、異変があったら逃げ出せるようにしているでしょうから。
飼い猫のどんな様子を「森の住人」と観察したのか、想像してみました。
飼い主とはいえ人間の都合には従わず、自分を通すところでしょうか。明け方や夕暮れ時が活動の本番という、猫本来の自然のサイクルに従っているという意味かなとも思いました。
Posted by 庭鳥 at 2020年08月09日 17:44
猫が前肢で目隠しのように目を覆って寝るのは、光の眩しさを嫌うからだと何かで読んだことがありますが、あの姿は可愛らしいですよね。本気の抵抗を「森の住人のような意固地さ」と詠んだ気持ちに愛情を感じます。
Posted by 高良俊礼 at 2020年08月12日 23:27
前肢で目隠しをして眠る猫の杜の住人のような意固地さ

上の句のいわゆる「まぶし寝」を猫の自由意志ではなく、意固地だと断定したところ、

しかも森の住人のような意固地さだと畳みかけているところ、「森の住人」というアイデ

ンティティーから読者各々が「森の住人」に思いをはせる歌の構造上のエスプリにひかれ

採らせていただきました。歌を読む方法論として面白かったです。

前肢で×(ばってん)をしてまで、明るくてもお気に入りの場所で眠ている猫の仕草を「か

わいい」等とうわすべりな愛情で表現せず、作中主体が「深い森」と読ませる力量のある

詠みに短歌の奥深さを感じます。
Posted by 西五辻芳子 at 2020年08月17日 06:23
杜の住人のような意固地さ
に惹かれました。
猫は愛玩動物だけど、野生を持っているんだ
と言うことを
愛らしい仕草のなかで捕らえたのは
凄いと思います
Posted by 竹田正史 at 2020年08月21日 20:03
意固地さと詠みながらも、非難というよりは愛情たっぷりに詠まれており、メルヘンチックな愛らしい猫の姿が目に浮かぶようで、好きな一首でした。
Posted by 加藤隆枝 at 2020年08月22日 16:17
猫と意固地があまりつながらなかったのですが、森の住人ってもしかしてオランウータン? と考えはじめてからは(あれは森の人でしょうか?)ばってんにした前脚をほどこうとしてもほどこうとしてもやっぱりばってんにしてしまう(いや、ほっといて)という態度、わかるな、かわいい意固地だな、とおもい好きになりました。
Posted by 国東杏蜜 at 2020年08月22日 17:10
この度短歌人に再入会させていただきました光本博でございます。
また一年生からやり直しです。
はじめましての方もそうでない方もどうぞよろしくお願いいたします。

再入会後初の詠草をこのような形で発表できる場をご用意いただき、運営者様には深く感謝申し上げます。


身近に猫のいない生活もすでに二十年ばかりになりますが、ほどよい距離感ができたのか、最近猫の歌を詠むことが多くなりました。

猫が目隠しをして寝るのはまぶしいからなのですが、それにしても不自然な体勢で顔に手を押しつけるようにして寝ているのを見ると、単なる習性という以上に、何もかもイヤという強い拒絶のようにも感じられました。そのさまを意固地と表現いたしましたが、非難というよりユーモアを感じてのことです。

「森の住人」というのは、そういう存在は一般的に日のささないところにいて容易に他者と打ち解けないであろうというイメージに基づくものです。そういえば「ひきこ森」という言葉もあるな、ということも頭をよぎり、なるほどこれで一首になりそうだと思ったわけであります。


拙作に対してお寄せいただきましたご意見ありがたく拝読いたしました。長い間短歌から離れておりましたので望外の評価を頂戴しうれしく思っております。
Posted by 光本博 at 2020年08月23日 23:40
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