2020年08月01日

第43回ネット歌会詠草/4

鳥の声 森に光の射す朝に言葉ひとつが色を出しくる

【選歌集計結果=4票】
【投票者=五十嵐真希、川上幸子、高良俊礼、冨樫由美子】
posted by 短歌人会 at 00:26| Comment(5) | 第43回歌会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
常套表現的とも感じた上の句が、下の句のちからで一変して魅力的に彩られます。描写が細かすぎないところに気持ちの良い余白を感じる歌だと思いました。
Posted by 冨樫由美子 at 2020年08月12日 05:55
とても平易でかつ想像の入り込む余地が十分にある歌だと感じました。「言葉」がどこから出てくる言葉なのか、あえてはっきり書かない所が良いですね。朝の爽やかな空気そのものが歌を通じて感じられます。


Posted by 高良俊礼 at 2020年08月12日 23:22
下の句にとても惹かれました。鳥の声と、光の射す森に、作者はどんな素敵な言葉を心に浮かべたのだろうと、ふくらみを感じさせる歌だと思いました。
Posted by 五十嵐真希 at 2020年08月19日 22:35
鳥の声 森に光の射す朝に言葉ひとつが色を出しくる

「鳥の声」と「森に」との間の一字あけに説得力があります。
薄明のころ鳥が鳴き始め、しばらくして朝陽が射してくる、そのタイムラグがよく分かります。

「朝に」と「言葉」の間に空白はありませんが、ここで
自然の森の世界が、人間の詩の世界へ転調します。

自然の「葉」ではなく人間の「言葉」が「出しくる」色とは何色でしょうか。
「言葉ひとつ」とありますが、色はひとつなのか、多色なのか。そもそも何という言葉なのか。

「出しくる」という複合動詞の力強さと、
「言葉ひとつ」・「色」のつかみどころの無さとの対照も味わい深いです。
一票入れさせて頂きました。
Posted by 川上幸子 at 2020年08月21日 07:27
「朝に」と「言葉」の間に欠字が無いのは
上の句と下の句という本質的な区切りがある事と
ひそやかなる転調のちからを漲らせるためと思われる事とを
付記させていただきます。
Posted by 川上幸子 at 2020年08月21日 08:52
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