2021年05月02日

第45回ネット歌会詠草/13

五分咲きの桜もともに倒されてやうやく消えし「売家」の貼紙
posted by 短歌人会 at 00:14| Comment(5) | 第45回歌会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「売家」と貼紙されていた不動産が売れて、敷地の五分咲きの桜ごと更地になったという場面と読みました。「やうやく」から、相当長い期間に渡って売りに出されていたものの買い手がつかなかったのでしょう。
住む人のいない家よりも、美しく咲いている桜の方を惜しむ気持ちが出るのは最もだと思います。なかなか売れなかった家も貼紙もくすんだ暗い色をしていて、それに対して五分咲きの桜の鮮明るさ。
記憶の中での対比が鮮やかな短歌だと思います。
Posted by 庭鳥 at 2021年05月12日 07:44
買い手がつかないまま長らく「売家」とされていた家が売れ、五分咲きの桜とともに壊された場面を想像しました。これから満開に咲くはずだった桜への無念さと、家への名残惜しさもありながら、やっと売れたことへの安堵も感じました。
Posted by 五十嵐真希 at 2021年05月14日 18:05
五分咲きの桜もともに倒されてやうやく消えし「売家」の貼紙


かなり長い間「売家」の貼紙がはられていたのでしょう。

ご近所の庭の桜は毎年みごとな花を咲かせ、道ゆく人を和ませ

大切な樹木だったのでしょうが、今年も五分咲きになった頃

売却がようやく決まり桜も倒され、更地になってしまった感慨を詠った

一首。結句はきっちり七音におさめた方がすっきりとしてより良く

なると思います。
Posted by 西五辻芳子 at 2021年05月16日 05:35
前評者の方々と同感です。長い間、宙ぶらりん状態に思えた「売家」は、所有者と無関係の人にとっても気がかりで、何だか落ち着かない気分を感じてきたと思います。それが四句目の「やうやく消えし」でほっと安堵すると共に、最期に満開を見損なってしまった残念さも感じられて心に沁みました。
結句については、西五辻さんのご指摘通りかと思います。
Posted by 加藤隆枝 at 2021年05月25日 10:58
庭鳥さま、五十嵐さま、西五辻さま、加藤さま、丁重なコメントをいただきありがとうございました。
23年前に引っ越してきた時から売家だった家がようやく取り壊されました。大きな敷地に桜や松などの植栽もある大きな家でしたので、倒壊の心配はなかったのですが、空き家なので何かあると嫌だなあと思っていました。
けれど、桜を植えているお宅が少なくて貴重な桜がなくなったのは少々寂しかったです。
結句、忸怩たる思いを載せたくて字余りにしたのですが、失敗でしたね。考え直します。
Posted by 鎌田章子 at 2021年05月31日 11:49
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