2021年08月01日

第46回ネット歌会詠草/2

突然に雨のはらめき熱帯魚ひとりコメリの隅で見ており

【選歌集計結果=4票】
【投票者=加藤隆枝/亀尾美香/高田圭/高良俊礼】
posted by 短歌人会 at 00:21| Comment(4) | 第46回歌会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
作中主体は、唐突な驟雨を逃れてコメリに入ったのでしょうか。
そこで雨宿りしながら観賞用の熱帯魚を見ているともとれますし、急な雨に見舞われた人々がコメリに入って来る様子を熱帯魚に例えた様にもとることが出来ると思います。
昨今のゲリラ豪雨は、まるで熱帯のスコールの様ですから、そういうことも歌の根底にあるのかもしれません。
Posted by 高田 圭 at 2021年08月07日 12:12
(特に田舎の)ホームセンターの隅っこは、人もおらず、照明も何となく暗い感じがしますが、そこに置かれた水槽の魚が、外の急な雨など我関せずといった体でいる情景が浮かびます。静けさを感じさせる歌です。
はらめき/熱帯魚/と名詞が続くため、ブツブツと切れる感じがします。「雨がはらめく」とすると少し動きが出るのではないでしょうか。
Posted by 亀尾美香 at 2021年08月07日 12:48
ホームセンターに行くとつい熱帯魚コーナーをボーッと見てしまいますよね。この歌はサラッとした軽やかな質感の詠みの中に情景が浮かんでとても良いなと思いました。

「雨のはらめき」から熱帯魚と、視点の切り替わりの一瞬の中に、外の雨と目の前の熱帯魚との幻想的な交わりも見るような気がします。
Posted by 高良俊礼 at 2021年08月16日 09:41
私は、作中主体が唐突な雨を逃れてコメリに入った、というよりは、コメリに留まったように読みました。買い物を済ませて外へ出ようとしたときの突然の雨で店内へ戻り、熱帯魚を見ながら雨が弱まるのを待っているような場面を思いました。
2句から3句にかけて、名詞が続くというご指摘もありましたが、私は、「はらめき」は名詞というより「はらめく」の連用形と思いました。雨がはらめく状態が続いているのだと、思いました。「雨のはらめき」ではなく、「雨ははらめき」になると、主語、述語のように読める気がします。入り口の方を見やって雨がまだ降っているのを確認してから、目の前の熱帯魚へとまた視点を戻しているような、コメリでのいかにもありそうな情景が目に浮かび、好きな1首でした。
「ひとり」「コメリ」「みており」の「り」音の重なりも楽しく読めました。
Posted by 加藤隆枝 at 2021年09月20日 16:50
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]