2022年02月08日

第48回ネット歌会詠草/25

ひむがしの夜明けの空の星あふぐアルデバランは昴ののちに


【選歌集計結果=3票】
【投票者=川上幸子/寺阪誠記/吉岡生夫】
posted by 短歌人会 at 00:02| Comment(4) | 第48回歌会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 星座早見表を持っていますが、持っているだけで用を足しません。この歌の作者のように夜空と対話できるのは幸せだと思います。羨ましい。
Posted by 吉岡生夫 at 2022年02月16日 17:27
ひむがしの夜明けの空の星あふぐアルデバランは昴ののちに

一読して上手い歌だな、と思いました。初二句で「〜の〜の〜の〜」とたたみかけることでリズムを生み出すと同時に対象を絞っていくところなど巧みです。「アルデバランは昴ののちに」初読時は、空の星(星空全体)を見て、昴を見て、アルデバランを見たという主体の認識の順を言っているのかと思いましたが、たまたまアルデバランを検索してみるとアルデバラン自体に「後に続くもの」という意味があるのだとか。東の空から昴に続いて昇ってくるからだそうです。その意味で「昴ののちに」と言っているのであれば、この一首の中にけっこう時間の幅があって、主体は東の空からアルデバランが昇ってくるまで明け方の空を見つつしばらく待っていた、ということになりますね。しかし、ある程度の天文知識がなければそこまでは読み取れないかもしれない(私はたまたまググっただけで…)。
Posted by 寺阪誠記 at 2022年02月19日 16:06
ひむがしの夜明けの空の星あふぐアルデバランは昴ののちに

「アルデバラン」という高い響きに惹かれました。
調べてみると、日本語では「すばるの後星(あとぼし)」と呼ばれることもあるとか。
では、「アルデバラン」は何語?とさらにググってみると、アラビア語なのですね!
イスラム天文学の世界がぱあっと広がった気がしました。

上の句が万葉歌を思わせる古風なひびきであるのに対し、
下の句は宮沢賢治の「星めぐりの歌」のようにハイカラです。
このコントラストも魅力的です。

夜明けの空に星を仰ぐ、豊かな一日の始まりに心洗われるようです。
Posted by 川上幸子 at 2022年02月19日 19:12
この一首は、おうし座のアルデバランというオレンジ色の星を詠ったものです。 調べると、前評者のコメントにあるように、アッ・ダバラーンというアラビア語で、和名では「後星(あとぼし)」と呼ばれるそうです。
他の評者と同様に「のちに」の意味が伝わりにくいと思いましたので、上句のなかに「のぼりくる」とか「あと追ひて」とかの表現を入れられるとよいと思いましたが…。
星(星座)の歌は、古代から星にまつわる神話や伝説が伝えられているものが多く、古星図に思いを馳せるなど幻想的な思いにさせられます。 この歌も、好きな一首でした。

余談になりますが、『アルデバラン』は、いまの朝ドラ「カムカムエヴリバディ」の主題歌で、親子三代に受け継がれる物語のテーマとして書き下ろされた曲だそうです。その歌詞を見てみると、物語を超えるものとして、はかなく不確かで不穏な未来が歌われており、現代の世界をあらわしているような切ない気持ちになります。「不穏な未来に手を叩いて/祈りながら sing a song … 」
また余談ですが、アルデバランはオレンジ色のロマンチックな遥かな星ですが、なんと半径は太陽の約40〜50倍もの超巨大な恒星だそうです。驚きです。
Posted by 肥塚しゅう at 2022年02月21日 14:11
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