2022年02月08日

第48回ネット歌会詠草/18

後悔がふと顔を出す日の暮れはなんきんまめをまとめて潰す


【選歌集計結果=6票】
【投票者=五十嵐真希/加藤隆枝/木村昌資/野崎挽生/橋小径/馬淵のり子】
posted by 短歌人会 at 00:09| Comment(6) | 第48回歌会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
気が張っているときには思わないような後悔の念はいかにも日の暮れどきにふさわしく、下の句からは、取り返しのつかない思いに苛まれている感じが伝わってきます。四句目のひらがな表記と結句の「まとめて潰す」が見事と思いました。
Posted by 加藤隆枝 at 2022年02月21日 01:35
「後悔がふと顔を出す」という感覚は誰もが持っているものだと思います。私は特に「ふと」の部分に共感を覚えます。後悔ってなんの脈絡もなくやってくるんですよね。
下の句の「なんきんまめをまとめて潰す」は抱えたストレスを発散する行為がそのまま調理の工程になっているという点に惹かれました。この方は、ふとやってきた<後悔>の処理方法を普段の生活の中に見出している。
もう少し想像力を働かせれば、潰した南京豆は翌朝のバターとなって食卓に並ぶのかもしれない。そう考えると「なんきんまめをまとめて潰す」という行為は<後悔>を潰す(発散する)というよりは、生活に馴染ませる行為のようにもとれます。それがこの方の強さなのだと思います。生活の深部を上手く切り取った歌だと感じました。
Posted by 野崎挽生 at 2022年02月22日 15:08
日中は思い出しもしなかった後悔。夕暮れ時にふと頭に浮かび、何かに集中していないと、後悔で頭がいっぱいになってしまう。その何かが、「なんきんまめをまとめて潰す」というのが、生活感があってとてもいいなと思いました。後悔もいっしょに「まとめて」潰して、もうくよくよしないぞ! という強い気持ちも感じられました。
Posted by 五十嵐真希 at 2022年02月27日 16:19
「なんきんまめをまとめて潰す」この言葉に惹かれます。悔いは、心に重い負担としてのしかかってきます。しかし、生きていかなければいけない。そのための夕ご飯の準備。作者の生きる力が伝わってきます。
Posted by 木村昌資 at 2022年02月28日 11:05
「なんきんまめをまとめて潰す」に惹かれます。すり鉢なのかバーミックスなのか分かりませんが、その手につぶれる感触が伝わってきているところ、後悔が解消されたのか、さらに深まったのかは書かず、読み手が感じる手触りに任せているところがとっても良いなあと思いました。
余談ですが、最近「ピーナツ和えの素」みたいなのを使っていたのですが、今度ちゃんと南京豆を潰そうと思いました。素もおいしいんですが。
Posted by 橋小径 at 2022年03月05日 11:29
選をいただいた皆さま、また、コメントを寄せていただいた皆さま、有難うございました。
下の句の「潰す」の情景は、いろいろ想像していただきましたが、少し言葉足らずだったかと反省しています。
次回もよろしくお願いいたします。
Posted by 肥塚しゅう at 2022年03月12日 18:27
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