2022年02月08日

第48回ネット歌会詠草/3

城壁に土けむりあげて大軍が押し寄せるように電話鳴りやまず


【選歌集計結果=2票】
【投票者=肥塚しゅう/山寺修象】

posted by 短歌人会 at 00:24| Comment(4) | 第48回歌会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
今はコロナ禍の時代なので、この歌は保健所とか病院とか消防署とかでコロナ関係の電話が鳴り止んでいる時間帯がないくらい多くかかってきている状態を長い直喩表現で詠んだ歌ととりました。
この比喩は、日本では余り現実感がなく、中国やインドや中東辺りではあり得るようにおもいます。ローマの時代やジンギスハーンの時代などをイメージします。漫画の世界では何回が見たような状況です。
あと、よく考えると、城壁まで近づく時は、すでに土けむりは上がらないような気がします。のて、慣用句的な表現ともいえて、それを直喩に使うのは、直喩の効果として弱いかも知れません。
が、コロナ禍を詠んだ歌としてその意欲を採りました。
厳しくいえば、コロナを詠んだ歌だとは分からない点がマイナスかも知れません。
Posted by 山寺修象 at 2022年02月14日 19:49
多くの職場、コールセンターなどにおいてこうした悲鳴をあげる状況が続いているのだと思います。
初句から四句までの比喩が結句「電話鳴りやまず」にかかる圧倒的な迫力で迫ります。
比喩の場面としては、戦国時代の戦(いくさ)で、城壁をめがけて攻め込んでくる敵の怒号と馬の轟音そして土煙りが目に浮かぶようです。 堰を切ったように押し寄せ鳴り止まない電話に少ない人数で対応する職場の様子の比喩として、日本人には大変よくイメージできる比喩だと思いました。
このご時世で、逆に電話やネットがなかなか繋がらない不満を詠んだ歌も目にすることがありますが、なにしろ平時ではない今が早く明けて欲しいと願うばかりです。
Posted by 肥塚しゅう at 2022年02月16日 11:15
城壁に土けむりあげて大軍が押し寄せるように電話鳴りやまず

票は投じなかったものの、比喩に魅力を感じた歌です。鳴り響く電話のベルに圧倒される様子が伝わってきます。
ただ、語順に難を感じました。正しくは「大軍が土けむりあげて城壁に押し寄せる」ではないでしょうか。
「城壁に土けむりあげて」だと城壁のところのみ土けむりが上がっているように思えます。そうではなくて、軍勢が城壁に向かってくるその経路に土けむりが上がっている、というイメージなのでは? であれば「大軍が土けむりあげて城壁に押し寄せる」が良いと思います。「大軍」というインパクトある語を後に持ってきたかったという意図はあるのかもしれませんが。
Posted by 寺阪誠記 at 2022年03月05日 06:58
コメントをお寄せくださった山寺様・肥塚様・寺阪様ありがとうございました。

詳細は申せませんが、職場の電話が鳴りやまない状況に嫌気がさして詠んだ歌です。ちなみに保健所や医療関係の職場ではありません。
当初は牛の群れが土煙をあげて迫ってくる様を思い描いたのですが、私の表現力では的確に描写しきれないと思い諦めました。

押し寄せる大軍の様子は、どちらかというと中国や西洋をイメージしました。

語順の問題に関してはすぐに結論が出せないため今後の参考とさせていただきたいと思います。

皆様の貴重なご意見感謝いたします。
Posted by 光本博 at 2022年03月13日 23:47
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