この記事へのコメント
一読、文体に信頼感を持てるなあ、とおもいました。
「腹切りの歴史を辿る本」という表現は、すこしまだるっこいように僕には感じられます。例えば「日本切腹史」とか「切腹の歴史を辿る」とか、本の正式タイトルはあるはずなので、出した方がよりリアリティが出そうです。
「壁の暦」は、現代の都会生活ではもう殆ど見られなくなりましたが、僕の九州の実家では、地元のある企業から毎年届くので、ずっと「壁の暦」がある生活でした。やはり地方都市での生活のリアリティが感じられます。(東京でも老舗や下町や浅草などでは、見かけられるのかも知れません。)
「〜の赤が目に入る」で一首を絞めておられますが、作者の言いたいこと、伝えたいことは、ほぼ全て表現できているとおもいます。赤は日曜か祝日(その他)の色でしょうか。その赤と血が直接つきすぎているとおもいます。短歌は、全て言ってしまっては、余韻が少ない作品になるので、下の句(とくに結句)では、作者が言いたいことをグッとこらえて、一番伝えたいことは、全部いうのではなく、直接は言わないで感じさせる構造で作りたいものだと、僕は考えます。
Posted by 山寺修象 at 2023年02月19日 09:44
前コメント中、絞めるは、締める、が正しくて、文字化けは、単なる「〜」でした。携帯しか持たない生活なので失礼しました。再度文字化けかも知れませんが、主旨に大きく問題なければ、次から、そのままにしますので宜しくお願いします。
Posted by 山寺修象 at 2023年02月19日 09:51
切腹の歴史について書かれた書籍は、一般書でも複数あるようですね。個人的な感覚ですが、「腹切り」という言葉からは、海外から見た不思議な風習のharakiriという感じを受けます。この歌のブラックユーモア的な雰囲気に合っていると思いました。
「壁の暦」は本を読む前からそこにあったはずですが、血生臭い歴史について読んだあとで、改めて「赤」が目につくようになる。人間の繊細な感覚の変化を捉えていて、良い歌だと思いました。
Posted by 伊藤まり at 2023年02月19日 11:09
腹切り(切腹)の歴史を辿る本というものを知りませんが、作者は「赤い」鮮血のイメージをもって読後本を閉じたのでしょう。したがってカレンダーの赤文字のところを即今読んだ本と直覚的に結びつけたにちがいません。面白い一首と思います。
Posted by かわすみ 暁 (さとる) at 2023年02月20日 09:14
端的な文体がよいなと思いました。
ただ、前評者もおっしゃっているように腹切りと「赤」はややつき過ぎかと思います。
「腹切り」と「暦」の取り合わせは面白いなと感じました。
Posted by 吉浦玲子 at 2023年03月03日 19:03
「腹切り」と「暦」の取り合わせに一票入れました。

この歌は作者の認識したプロセスに沿って描かれていて、そこは説得力があると思いましたが、確かに「腹切り」と「赤」が即き過ぎというのは指摘されるところでしょう。
山寺さんも触れておられますが、本のタイトルを入れた方が私もよいと思いましたし、日曜や祝日という言い方でも「赤」のイメージは充分立つので、直接言わない方がよかったかもしれません。
Posted by 生沼義朗 at 2023年03月04日 16:38
皆さま

コメントありがとうございます。大変勉強になりました。
たしかに「腹切り」と「赤」がつき過ぎているというご指摘は、なるほどと思います。

「腹切り」=「harakiri」のイメージがあるというのも貴重なご意見でした。
なるほど、英訳ではharakiriの方がメジャーなんですね。

書名を出した方がいいというご指摘も、たしかにその方が具体が伝わりやすいと思います。
ちなみにタイトルは「切腹の歴史」です。
一方で「辿る」という語により、上と下を結ぶ主体の視点の動き(本→壁)を表したいという意図もありました。
そこらへんの何を優先するかの選択は、難しくておもしろいところです。

皆さまのご意見、参考にさせていただきます。ありがとうございました!
Posted by 野崎挽生 at 2023年03月10日 17:05
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