落花生くわえていたる烏とぶ立春の日のあしたの空を
【選歌集計結果=6票】
【投票者=伊藤まり/大野奈美江/かわすみ暁/肥塚しゅう/白井彩子/高良俊礼】
【投票者=伊藤まり/大野奈美江/かわすみ暁/肥塚しゅう/白井彩子/高良俊礼】
【関連する記事】
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
31 |
発想が面白い歌だと思い三首選に採りましたが、上の句の「くわえていたる」が少々重たい感じを受けるのと、烏がどのように飛んだか(飛んでいる様子)をひと言添えられると、より魅力的な一首になると思います。
解釈は肥塚さんなどのコメントと同じです。節分に殻付き落花生を使うのは、エリア限定というよりは、昨今は後の処理が楽だからということで個人の選好でそうされている方が多いのではないでしょうか。
肥塚さんが言われている「くわえていたる」が僕も気になりました。「たり」(連体形は「たる」)には「〜している」という語義もありますが、「〜した」という完了の意味合いで使われることが多く、過去を表わすのに「たり」を使うこともあるように思います。昨夜の豆まきの時に落花生をくわえていた烏が、今は立春の朝の空を飛んでいる、という読み方もできてしまうように感じました。「たる」は外して、例えば「落花生しかとくわえて」とかいうように、迷わず現在の景と読める言い方にしてみては? と思ったのですが、どうでしょうか。
肥塚さん、斎藤さんがご指摘のように、私自身も上の句にもたもたしたものを感じながらの出詠でした。ご助言を参考に上の句を推敲して、下の句の伸びやかさが生きるようにしたいと思います。ありがとうございました。