2023年08月01日

第51回ネット歌会詠草/4

西側の少し茶枯れしあぢさゐは救急車両のライトに浮かぶ
posted by 短歌人会 at 00:13| Comment(2) | TrackBack(0) | 第51回歌会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
下の句で「救急車両」が出てくるのが意外性があります。それまでは正確な時間は不明なものの、日の落ちてない時間帯をイメージしていましたが、「ライトに浮かぶ」なのでここで夜間の景へとイメージしました。救急車は走り去ったのでしょうか、しばらく止まっていたのでしょうか。いずれにしても、ちょっと緊迫感のあるシーンで、その現場ではなく、むしろ色あせた紫陽花がライトに浮かびあがっているところにフォーカスしていることが印象深いです。
初句「西側の」はこの一首だけだとどういう意図で置かれたのかちょっとわからない。「茶枯れ(る)」は辞書になく、造語だと思いますが、意味は通じます。より色合いを表現するために、「末枯れる」に代わって用いたのかもしれません。
Posted by 寺阪誠記 at 2023年08月07日 13:58
寺阪さんが書いていらっしゃるとおり「茶枯れ(る)」はネット検索でも出てこず、作者の造語かもしれません。しかし、紫陽花が茶色になって枯れている感じをまさにうまく表現されていて違和感がありません。救急車はライトをつけているので夜の出来事なのでしょう。救急車という不安、不穏なものと、茶枯れた紫陽花の滅びのイメージが相乗効果を出していて、なんとも言えない不安感が提示されています。
Posted by 大野奈美江 at 2023年08月20日 11:23
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