2024年02月17日

第52回ネット歌会詠草/10

終電を降りて散り行く人たちの一時間後の位置は知らざる
posted by 短歌人会 at 00:11| Comment(2) | TrackBack(0) | 第52回歌会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
おそらくどの時間帯の電車を降りても、それぞれの乗客が一時間後どうなっているかってわからないと思います。が、終電以外ならそもそもそんなことを考えることもないでしょう。ここに一首の眼目があると思います。
終電ならば乗客もまばら(休日前ならあるいは混んでいるかも知れませんが)。終電で帰ることになった経緯はそれぞれにあるでしょうが、同じ一つの電車で運ばれて行くという感じが普段の電車に比べてことさらに湧くのではないでしょうか。ちょっとした運命共同体の感覚。
その行程を共にした人々が駅に着くとそれぞれの家なりに向かって散ってゆく。もともと他人ながらその行方がなぜか気になる。
終電という不思議な時間帯ゆえか、静謐な思考を感じる一首だと思いました。
Posted by 寺阪誠記 at 2024年02月21日 16:26
駅を起点に周辺地域の分布図を想像させる歌だと思いました。
終電を降りて帰宅した人、乗り継ぎが出来ずタクシーで移動中の人、ホテルやネットカフェで一夜を過ごす人もいるでしょう。
終電だからこその歌で、好感を持ちました。
Posted by 庭鳥 at 2024年02月23日 17:05
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