この記事へのコメント
文体がややこしいのですが、そこが魅力だと思います。

トンネルで今見たものは、結句の「布切れ(A)」である。その布切れはあたかも死骸のようなである。どのような死骸かというと「布切れ(B)」のようであるという歌意に読みました。

要するに落ちているのはただのぼろ布であるが、道路に放置されたまま轢かれ続けている動物の轢死体のようである。
トンネルの中なので一瞬死骸かと思い、ぎょっとしたがぼろきれで安心したということなのかもしれません。

トンネルという暗い場所での思考プロセスを表現するうえでこの複雑な文体は効果を発揮しているようにも思います。
Posted by 光本博 at 2024年02月22日 01:30
最後にどんでん返しがある、サスペンス感のある一首です。
結果的には「『布切れのような死骸』のような布切れ」、つまりは「布切れ」だったということですが、その物体を引いたときの作者の思考プロセス、「布切れ!?→死体!?→いや、布切れか…」を読者も追体験するようで、スリルがあります。
しかし、最後に認識した「布切れ」も作者にはそのように見えたというだけで、実は…と想像する余地が残されており、その点でも構成の巧みな歌だと思いました。
Posted by 寺阪誠記 at 2024年02月23日 17:13
死骸のような、でドキリとし、布切れ、でほっと安堵する、作者と同じスリルを味あわせてくれる構成になっています。しかし、本当に布切れだったのでしょうか、一瞬で過ぎ去った光景ですので、真偽のほどは確かではありません。作者が通り過ぎた後、パトカーが来ていたりして……。
Posted by 大野奈美江 at 2024年02月24日 16:59
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