2024年02月17日

第52回ネット歌会詠草/4

安全はすこしくるしい引くほどにシートベルトは首に食いこむ
posted by 短歌人会 at 00:17| Comment(3) | TrackBack(0) | 第52回歌会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
安全であるためには少し我慢なり窮屈な思いをしなければならない。
これはドライブだけではなく、いろいろな事柄にも言えることだと思います。
そういう意味でドライブの際にシートベルトが体にあっていない様子の描写にとどまらず内容に広がりのある一首だと思いました。
Posted by 光本博 at 2024年02月22日 01:17
「安全はすこしくるしい」というフレーズは読者の注意を惹きます。それで、読み進めていくとシートベルトのことだとわかる。言わば種明かしなんですが、この歌はそれだけに終わらない。「シートベルト」から反転して、世の中の「安全」は自由を制限したところで成り立っているんじゃないか、という読者の想像を広げます。一首の中で「シートベルト」が具体物から隠喩へと機能を変えている。上手な歌です。
一点だけ気になる点を言えば「引くほどに」。この歌のは車のシートベルトだと思うんですが、あれは「引くほどに」食い込む造りになってたかなあ、と。歌が良いので細かいところがかえって気になってしまいました。
Posted by 寺阪誠記 at 2024年02月25日 13:16
「安全」と「首に食いこむ」が上手く呼応しています。安全を求めるために負うリスク…現代社会はそうやってリスクを天秤にかけた上での選択を求められます。とはいえ、ことシートベルトの着用に関しては法で定められているので、選択の余地はない。権力に従うことへのリスクがこの歌にはこめられていると感じました。
Posted by 野崎挽生 at 2024年03月08日 22:40
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