第1回短歌人ネット歌会の作者名を発表します。
なお本日から5月1日の土曜日いっぱいまで、
各作品の作者名がオープンになった上でのコメントを受け付けます。
読みがうまくできなかった作品などに関しまして、作者の方との質疑応答などに
お役立て戴ければと存じます。いうなれば感想戦です。もちろん、ここからのご登場も歓迎します。
皆さまの積極的なご発言で、歌会終了まで会を盛り上げて戴ければと存じます。
何卒よろしくお願い申し上げます。
1.酔いどれて蜂のムサシは天へ行きしたたか打たれてもどれりと聞く / ふゆのゆふ
2.拡声器置きて片手にマイク持ち辻立ちという苦役なす人 / 藤原龍一郎
3.「ビタミンも採れよ」と肌がシグナルを出している午前七時の憂鬱 / 向坂郁美
4.学校と縁切れてより久しくて「春休み」はただ年度末なり / 三田村まどか
5.やわらかに蕾ほころぶこの町を独り歩めば風吹きすさぶ / 村上 喬
6.理不尽なやつと思えば気になるあいつ いつもの場所にサイケなワゴン(車) / 保里正子
7.ショッピングモールの中の駄菓子屋は親切な郷愁でおなじみ / 松木 秀
8.「お空より赤い長靴とんできて」 幼児のはなしあとくちごもる / 渋谷和夫
9.音もなく降る春雨のやさしさに滅菌済みのガーゼをあてる / 今井ゆきこ
10.草臥れて溶けだすやうに座りたり雨のにほひのよく咲くさくら / 楠田よはんな
11.パブロフが犬を愛しめあしたには靴下をほしゆふべにたたむ / 弘井文子
12.春嵐に根ごと倒るる大銀杏宿りし神はいかが御座(おわ)すか / 村田 馨
13.薄暗き犬舎のケージ並びおりブリーダーを呼ぶ ここにはいない/北島裕子
14.三月のブルームーンの射す部屋に老いたる母も華やぎて見ゆ / 西王 燦
※blue moon=グレゴリオ暦ひと月の間の二回目の満月。幸運とされる。
15.鶏の鶏冠噴きあぐ髪載せてをんなが来ればキャバクラ嬢と思(おも)ふ / 矢嶋博士
※15番の歌は作者ご本人から詠草取下げのお申し出がありましたので、
削除しました。したがってこの作品につきましては欠番としました。
16.父われが三千の名を授けたる三千の名のさくら散りかふ / 伊波虎英
17.三月の雪はビニール傘に向け降りたり実にみだりがわしき / 生沼義朗
18.指先にあつまる光生きてきた昨日がうまく見えない朝も / 花森こま
19.ミモザ正しくは銀葉アカシアの花房に溺れ窒息す / 大室ゆらぎ
20.肌衣の古りしにほひは満ちゆきてあはれ過ぎにし日日に流浪す / 來宮有人
21.春の泥押し流し行く雪解けの水映したる二羽の白鳥 / 伊庭日出樹
22.夜通しで二羽のスズメが庭先の梅の枝々息を吹き込む / 堀越 霞
23.三月の終りを降りる風花にさくらはふたたび眠りのなかへ / 庭野摩里
24.竹山広九十歳の誕生日を雲南省の河口にをり / 山寺修象
25.君からのメール届けばポケットの中にて跳ねる一匹の鮎 / 太田賢士朗
26.端役なれどそれなりにおもき言葉あり廻りの道ににほふ木蓮 / 三島麻亜子
27.最悪に君が欲しくてたまらない夕暮 桜、咲いてゐるらし / 坂本野原
28.絶望の「絶」の字みれば色ありてわが手に残る糸は何色 / 西橋美保
29.鯖街道そひの猫カフェ「まるまり」に入る猫見ず四月一日 / 近藤かすみ
30.三つまで花を抽(ぬ)きだし五つ六つ落葉持ち上ぐせつぶんさうは / 永井秀幸
31.湯上りの頬をたちまち撫でてゆくアサリが砂を吐くごとき風 / 倉益 敬
32.中吊りに驚かされぬ「BRUTUS」おまへもか吉本隆明(リューメー)特集 / 長谷川知哲
33.きちんと育てられたんやねと君は言ふ私の闇に触れてゐるのに / 勺 禰子
34.大樹から蔓垂れさがり夕映えに見上げておりぬわが絞首刑 / 木嶋章夫
35.春の雪掌に溶け逢いに行く明日履く靴を選びかね居り / 槙村容子
36.二十五歳の竹山広よ その後のろくじふごねんの一生(ひとよ)をおもふ / 梶崎恭子
なおこの記事にコメントはつけられません。
以前のコメント同様、それぞれの作品に関するスレッド直接お願い申し上げます。
なお5月2日以降は、コメントは一切つけられなくなります。
書き込みはお早めにされますことをおすすめ申し上げます。