第30回短歌人ネット歌会の作者名を発表します。
本日から3月3日(金)いっぱいまで、
各作品の作者名がオープンになった上でのコメントを受け付けます。
読みがうまくできなかった作品などに関しまして、
作者の方との質疑応答などにお役立て戴ければと存じます。いうなれば感想戦です。
特にまだコメントのない方は、是非一言述べて下さればと存じます。
ご自分の作品にでも他の方の作品にでも構いません。
詠草の有無は関係ありませんし、もちろんここからのご登場も大歓迎です。
皆さまの積極的なご発言で、歌会終了まで会を盛り上げて戴ければと存じます。
何卒よろしくお願い申し上げます。
【詠草(題詠「白」)】 ※カッコ内はルビとなります。
1.ひさかたの白井貴子を待ちわびて揺れる観衆手拍子に雪 / 伊庭日出樹
2.好きなひとに好かれていればそれでいい ちくわの白き天麩羅を食む / 鑓水青子
3.北へゆく白き機影の消ゆるまで見上げていたり冬の青ぞら / 加藤隆枝
4.トマ・オキの白き双耳を遠見つつ思ひおこせる尾瀬ヶ原の雪 / かわすみさとる
5.しろじろとLEDは電柱にいきものもののけ寄る気配なく / 岡本はな
6.たそがれにひとり問答くりかえし「白にしやう」と起ちあがりたり / さとうひろこ
7.今際まで気遣ひ示すをとこ気をまざまざと見す白骨ひろふ / 鎌田章子
8.アル中のユトリロの描く白壁のかなしみが沁みてこころに入り来 / 永井秀幸
9.バレンタインあつたとしてもあのころの私はきつと告白できずに / 海野 雪
10. 唐突に希求という語浮かびしがそれより後のしばらくの空白 / 生沼義朗
11. 乳牛(ちちうし)の吐く息しろき冬の朝つめたきままに牛乳を飲む / 伊波虎英
12. 古典的名曲「霧のカレリア」を聴くときおもう白海のこと / 吉岡生夫
13. 夜半の道林檎を買いに裏ボアの白いコートを羽織り出かける / ふゆのゆふ
14. 白耳義の命の水が喉ふかくくだれば麦の香はたちあがる / 葉山健介
15. 異界から春は来ているたとえれば白い水には映らぬさくら / 高良俊礼
16. 赤と緑と青が混ざれば白になる甘い夢とは思わざれども / 津和歌子
17. 新しいページの白に刻まれし文字のとめはね背筋を正す / 馬淵のり子
18. もう白ととても言えないジーンズの黄ばみはあるし醤油染みまで / たかだ牛道
19. 白百合を抱けば白きブラウスに花粉の染みがついてしまへり / 冨樫由美子
20. 白菜もちょうど煮えごろキムチ鍋あんないざこざ忘れてあげる / 井忠明
21. 融雪剤撒かれて白きやまのみちカモシカはその塩を舐めに来 / 竹田正史
22. 去年より花少なく咲く白梅の鉢ベランダに淡く匂いぬ / 亀尾美香
23. 給油所の広くも白くもない壁に祈るでもなく凭れかかった / 砺波 湊
24. 白き背に一角獣を彫っていた姫の名前も忘れてしまい / 桑原憂太郎
25. 白地図がばらばらになるパズル見てわが東京の小ささ思う/ 太田青磁
26. 白紙(しらかみ)に黒き言葉をつづりをり夜をひとすぢ呼び込むやうに / 鈴木秋馬
27. 白玉をぷつんと噛みて幼子はをみなのかほで吾に笑ひたり / 桃生苑子
28. 凍てついた白き梢のそのさきに深度五百億光年の海 / 蒼あざみ
29. 北風に息の白さはかき消さる遅延列車を待つホームにて / 村田 馨
30. 創世は欧州移民トランプを何枚切りてもただ白けたり / 庭野摩里
31. わが町を覆ひし雪は昼過ぎて道に積もれし白からぬ雪 / 安野文麿
32. しろがねのみぞれふる街一匹の猫うづくまる自動ドア前 / 西五辻芳子
なおこの記事にコメントはつけられません。
以前のコメント同様、それぞれの作品に関するスレッド直接お願い申し上げます。
3月4日以降は、コメントは一切つけられなくなりますので、
書き込みはお早めにされますことをおすすめします。
次回第31回歌会は5月開催予定です。4月下旬より詠草募集を開始します。
歌会に対する改善案などありましたら、積極的にお寄せ下さい。
できる限り運営に反映させて参ります。
次回もたくさんの方々のご参加をお待ち申し上げております。
ではもうしばらくの間、よろしくお願い申し上げます。